「劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜」










同性同士の恋愛を描くドラマの映画版。
上海転属から香港に移り、
(なぜ!?情勢を考えると逆では!?いつ撮影したの!?)
東京に戻ってきた春田は、同性パートナーの牧との結婚を夢みていたが
春田の所属する天空不動産第二営業所に牧の姿はなく、
彼はいつの間にか本社移転になっていた。
そして本社のプロジェクトチームは強引なベイエリア開発を進め、
春田たちの担当地区の店舗に立ち退きを迫るのだった。
そのプロジェクトチームに名を連ねる牧にはリーダーの狸穴が、
そして本社に反発する春田には後輩のジャスティス(not誤記)が急接近し、
ぎくしゃくし始める2人。
そんな時、春田に熱烈な恋をして失恋した部長が
階段から転落して春田に関する記憶を失い…というあらすじ。

ドラマを見ていて、彼等の事が好きだった人には大満足のボリュームです。
逆にドラマは見てないけどチョイ見したいという人には不向きかも。
(湾岸開発に関する海外企業の暗躍とか爆発とか色々本編と違うので)
リアリティレベルは元々ふんわりめの世界なので!

顔のいい新キャラが出てきてどんどん春田くんや牧くんと親密になるので
ここはBLユニバースか!?と思いました。
でもこのドラマの良いところは、誰が誰と付き合ってようが
「あ、そうなんだ〜!わ〜」みたいなノリで済むところ。

立場が上の者が社内で部下に性的なアプローチを行うシーンが
ドラマではあって、そこは問題だなと私も思ってましたが
映画版ではなくなりました。
おじさんが恋をして乙女になる姿を
笑いにするシーンは少しあるけど(バスタオルで胸を隠すところなど)、
本当に少なくなった。
コミカルな部長のシーンも、
迫られている春田さんが笑ったり嫌悪したりはしないので
嫌な感じではない。

サウナで半裸の男達が5人でワーキャー喧嘩するところは
「キャットファイトを見て癒されるおっさんの気持ちってこんな感じかな?」
と思った。

内容

真面目な話、恋愛って冷めてくると
「何でも気持ちを伝えてくれる素直な人」から
「何でもワーワー騒ぐ我慢の足りない人」になってしまうような
長所逆転現象がきて、そこからが本番なところある。
牧くんが割と黙って抱え込むタイプなので常に心配です。

あと春田くんはそろそろ酒をやめたほうがいい。
香港での謎のイケメンはともかく、
帰国してすぐの晩に、
家に直帰せずに飲みに行くのがそもそもの間違いです。

武川さんはドラマ本編では俺様攻っぽい感じでしたが、
映画では尽くす受っぽくなっていて、
相手によって柔軟に変わる人なのかな?と思いました。

結局新登場のキャラクターはみんないい人で、
春牧春も大団円で良かった。

こういうユーモアを含んだ恋愛物って、
続けば続くほど2人が嫉妬したり疑心暗鬼になったり
泣いたり罵り合ったりして、見ている方がつらいので、
もし今後続くようなら、できれば巌のような不動の愛で、
困難を乗り越える話にしてほしい。









2019.09.04 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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