「X-MEN ダーク・フェニックス」









製作のフォックス社がディズニーに買収されたので、
長く続いたX−MENシリーズも今回で一旦終了。
(この先はMCUに合流するのではないかと噂されています)
製作に携わっていたブライアン・シンガーさんが色々な事情により
離脱したため、サイモン・キンバーグさんが監督脚本をされました。
(ファイナル ディシジョンやフューチャー&パストの脚本をされた方)
(今回初監督)

アポカリプスから10年、X-MENの活動により
ミュータントの地位は向上し、人々に受け入れられるようになっていた。
異常なフレアで危機に陥った宇宙船から乗組員を救出するミッションで、
フレアを浴びたジーンの能力が不安定になる。
そして同時に彼女は、失っていた恐ろしい記憶を取り戻し…というあらすじ。
ダークフェニックスのお話は3で一度やって、評価が良くなかったのですが
過去改変物語があってリセットされたうえで、今回は雪辱戦になります。

ジマーの音楽が良かったです。
あと能力バトルがXMFCと並ぶほど良かった。
能力バトルは格闘とはまたちょっと違って場所選びや相手の能力との相性があるんですが
X−MEN過去作品は、「えっ飛べるキャラクターをその場所で使う!?」
「遠隔攻撃できるのにそういう戦い方!?」みたいなのが多かった。
でも今回は最適な場所ですごく格好いい戦いが展開してワクワクしました。

内容ばれ

マグニートーのバトルがピカイチ良かった。
金属を飛ばして遠隔攻撃、盾にして防御、デカイ物を落とす、潰す、
彼の能力はそもそもがチートですけど、今回は手足の延長のように使用して
接近戦で無双するのがプラスされて本当に格好良かった!

あとヘルメットが大破して、
ほぼ私服のマイケルファスベンダー状態になったので、
トンチキヘルメットとお衣装に毎回ぐぬぬしていた私はとうとう報われました。
というかヘルメット、爆散するために持ち出したような感じなので、
キンバーグさんもヘルメット嫌いだったのかな?と思いました。

愚痴!色々ばれ!(けなしています)

ケブラー製じゃないのかよ!いまのスーツはファッション性を重視した麻かシルクとかかよ!
それとも柵がアダマンチウム製なのかよ!
私は彼女がX−MENを正しい方向に導いてくれると考えていたので、
これは本当に絶許ですよ。彼女の判断ならまだしも、あんな不本意な。

あと今回チャールズの扱いがひどい。
予告の段階からデッドリージェネシスを混ぜるんだろうなと思ってましたが、
案の定バチボコです。
人の役に立たなければ排斥されるという考えは、彼の怯えであり、
(ミュータントがマイノリティーの暗喩である以上、あまり感心しませんが)
一概に間違っているとも、ましてや悪であるとは言えない。
ジーンの過去を隠蔽したのもやはり微妙なところだけど、悪ではない。
でも現場のレイヴンの指揮を否定して無理な指示を強引に出したこと、
あの表彰式で1人で栄誉を独り占めしているような描写と、
人の批判を聞かない描写、酒に逃げる描写で、ぐぐっと悪寄りになってる。
この映画が初見の人にチャールズがどう映るか非常に不安です。
表彰式で陰りのある表情、仲間の献身をアピールするセリフ、
薄っぺらく聞こえる弔辞ではなく泣き崩れて物も言えないようなシーンがあれば
また違ったと思いますが、完結編でなぜそこまでチャールズを下げないといけないのか?

エリックに関しては、とうとうテロ行為はやめて
集落を作って隠れ住んでいるような様子に一安心したんですが、
ジーンとの会話で、大切な人を失い復讐のために人を殺したが
少しも楽にはならなかった、的なことを彼が言って、
えっそれは前作の、過失でエリックの家族を殺してしまった人と、
殺害に関与していない周りにいた人を激情のままに殺して、
あと職場の工場の人間、誰が密告したか分からないから全員殺した件も含まれる…?
えっ彼らにも配偶者や子供や友人がいて取り返しのつかない事をしてしまった…ではなくて
自分の気持ちが良いか悪いかなの…?えっ?ってワナワナしました。
脚本の人の、過去作品の把握の雑さに…。
そもそもあの件なぜ、刑事責任が問われてないの…?なんでなんで?
別に操られてやった訳ではなかったですよね。
あと復讐のむなしさを語ったあとでジーンを復讐のために殺そうとするのは、分裂してない?

いや、今回の地下鉄ゴゴゴも死者…かまあ運が良ければ重傷者が何人も出てるのではないか?
人間の間でどのように恐怖と排斥が広まっているかは恐くてちょっと考えられません。
前作でもそういえば同じ事を思った。
このシリーズ、ミュータント以外の人間がいるようでいない。必要な時だけいる、みたいな感じ。

あと大好きな先生を殺した人の名前が付いた学校に通うのはなかなか地獄だと思う。

色々ありすぎたのでラストシーンが心に入って来なかった。
エリックが自分の行動について言葉にしてきちんと説明しており、
うん…よかったね…とは思いました。

や、でも人は間違うし、それを許しやり直せるのは美しい、
X−MENはそういうシリーズだったようにも思います。
でも許されるからこそ忘却してしまい、同じ間違いを何度も繰り返す、
そういう負の面もあるとも思う…。

長く親しんだシリーズでした。
関わった製作や役者の方、ありがとうございました。










2019.06.23 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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