「アベンジャーズ エンドゲーム」









11年続いたアベンジャーズ完結編です。
マーベルシネマティックユニバースはこれからも続きますが、
私たちの知っているアベンジャーズは今回で終わり。

ずっと追い続けたファンへのボーナスステージみたいな作品だったので、
「予習はもうアベンジャーズ3作でいいよ…」みたいな説明をしてましたが、
やっぱり全作見てください。無茶なお願いとは思いますが。
これまでは飛ばしていいよって言ってた(すみません)ストレンジ先生や
あとガーディアンズ、ソーの1・2、アントマン2も重要です。
過去作品からよくまあそんな大量のネタを拾って
話を組み立てられるな!と驚いたので。
ネタ総当たりで10パターンくらい組み立てて試算したとか
そういう工程だろうか。相変わらずみっしり詰まっていて、
無駄なシーンはないし、置換可能なシーンもない。完璧で固い。

他の映画ならメインキャストをやるような役者さんが
15秒30秒の出演のためにじゃんじゃん出てくるし、
何年も前からずっと見てみたかったシーン、セリフも
ガンガン投入される。
そりゃあもう一々驚いている暇がないくらいに。
本当に、はわわのポーズで固まるよ。
(複数回見に行きましたが、はわわポーズの人、散見されました)

あらすじは、前作でサノスの野望を阻止できなかったアベンジャーズ。
宇宙のすべての生命が等しく半数になった世界で、
彼等はそれを元に戻せるかもしれない一筋の希望を見つける。
という内容。

定例の錯乱した雑感ラストまでばれ

チケット、田舎なので2日前なら大丈夫だろうと思ってましたが
残り2席でした。予約解禁の24時過ぎに押さえておくべきでした。
今回、アベンジャーズメンバーが互いに支え合う描写が多かった。
ネビュラがトニーと打ち解け、ロージーはナターシャにメキシコの情報を伝え、
ネビュラと義肢の話をし、ロケットを助ける。
そんなロケットはソーを励まし恫喝し時にはビンタする。
スティーヴは悩むナターシャを元気づけに来るし、
ナターシャはバートンに希望を与え、バートンとワンダは支え合う。
バナー博士はかつて自分を救ったのは君だとソーに告げる。
それとアベンジャーズ以外の助言者も多かった。
フリッガ様に、ペッパー、エンシェント・ワン。
この豪華な出演者にプラスしてファブ郎監督も、わいちち監督もいるし


箇条書き(キャプテン寄り)
・ホークアイのおうちは、サラサラの確率がおかしい。
 あとルッソ神作品の場合、丁寧な家族描写があると、
 高確率でそこから死者が出る。
・後篇でサノスの過去の掘り下げをして、単なる破壊者じゃないですよ〜
 ってやると思ったけど違った。全員殺してから新たに作り直すって言いだしたので
 単なるサイコパスだった。「お前にはつらく当たりすぎた」ってネビュラへのセリフが
 最高に気持ち悪かったので、直後に首が飛んでよかったです。
・グループセラピーで彼氏の話してる男性は監督。
・次の貸倉庫のシーンが1400万越えの確率の主な原因かなって思った。
・それでナターシャとスティーヴの会話シーン、
 2人ってCAWSからずっと姉と弟のような、兄と妹のような不思議な関係だったけど
 このシーンの会話はあとの2人の行動に影響を及ぼしていて2回目以降が結構涙腺にきます。
 「私には何もなかった。でも手に入れたの。この仕事と家族を。おかげでマシな人間になれた」
 「自分の人生を生きたら?」「お先にどうぞ」
・ハルク、バナー博士と融合して、とってもいい顔。
・そしてキャップが水を飲むんですが、シリーズ通してキャップが飲食するシーンは貴重!
・まさかソーがプヨってるとは思わなくてびっくりした。
 人種性別性的指向について公平さを目指してきたディズニーが
 次は美醜、体型に着手したというご意見をネットで見掛けて成程と思いました。
・TOKYO!最近のビッグバジェットでアジアと言うと、お隣とか、
 隣の隣りとかが多いので…ようこそ…「吠えるバー」「ナイトクラブ」「そば徳」
 真田さんめちゃ格好いい。日本刀さすがの構え、腰の入り方!あと牙突…?
・「よせ、今さら希望なんて」「もっと早く来たかった。ごめん」
 ってバートンがあんなに気弱になるなんて思わなかったので…びっくりした。
 そしてこれものちの伏線…。
・「何も知らないワンちゃん。宇宙に行きたいでちゅか」
 いや、スコット全方位からいじられまくりだけど、セクシーでした。
 マッチョ脳筋でもナード君でもない、新世紀の男性のセクシー。
・ニューヨーク2012年。このあたりで息を飲む人が多かった。分かる。
・エレベーター。ストライクチーム。ピアース。
 CAWSネタ多かった。まさかのヒドラキャップねた。
 アメリカのケツ。
・「まったくお固いね。反吐が出る」ロキさんキャップのこと嫌いだったのかー。
 変身はマイティ・ソー2のねたですね。
・キャップVSキャップ。ここは声をあげる人がいた。分かる。
 「まだやれるぞ」「…だろうね」この自分に対する若干の気恥かしさと、
 げんなりする気持ちのあらわれた表情、最高です。
 キャップはしぶとい敵は締め技で落とそうとするな。
 でも未来キャップの方がクレバーだった。キャップ、自分のこと良く分かってる。
・まさか登場されるとは思ってなかったので私はここで声が出そうでした。
 エンシェント・ワン。ストレンジの来る5年前の世界。
 でももうストレンジが来ることは知っていて、
 今彼がどこで何をしているかもご存知なのね。不思議。
 そして彼女は未来の弟子に全幅の信頼を寄せているのだなあ。
・この映画の美の3女神は、エンシェント・ワン、フリッガ様、先代ワスプ
 だと思うんですよ。なかでもフリッガ様、目が潰れるお美しさ!
・あのゴキゲンで最高なガーディアンズのオープニングをこんなに容赦なく!
 好きです。「…あいつはアホか?」「ええ」むごい。好きです。
・これが最後のカメオだそうです。スタン・リー。寂しい。
・ハワードとトニー、来るだろうとは思ってたけどいいシーン。
 しかしハワードがドミニク・クーパーじゃないのはどうして!?
 ジャービスはジェームズ・ダーシーなのに!?
 あとトニーがジャービスに反応しなかったのと、
 スティーヴがハワードに反応しなかったのは尺の都合とは思うけど寂しい。
・あと梅干しの……あれ……ここはちょっと納得いかない…。
 彼女の選択だから尊重したいけど
 もうちょっと事前にネビュラと打ち合わせるなどして予測と対策を…。
 あとそんな崖の下の火サスみたいなのやめてよね!もうちょっとふんわりしてよね!
 彼女がいなかったらアベンジャーズもっと早い段階で崩壊してたよ。
 ありがとうナターシャ、大好きだよ。
・今回、虐殺されたと言っても過言ではない人気カプ、
 数少ない勝者はガモネビュ。おめでとー!
・ビッグ3とサノスのバトル、すごかった。もはやカメラワークは凝らずに
 シンプルに技とリズムを見せるアクション。
 キャップのムニョでは声が上がった。
 盾と専守防衛がキャップのアイデンティティ派の人には
 ちょっと納得いかないかもしれないけど、原作では元気にブンブン振り回してるし、
 あと本家ソーよりも使い方がエグイのが個人的に好きです。
 容姿と言動でかなり印象補正されるけど、攻撃的だからなキャップ…(好き)。
・サノス大軍の進軍に、よろよろと独り向かうキャップの遠景のシーン、美しかった。
・「キャプテン聞こえるか?左を見ろ」
 両方従軍経験ありなので本来なら8時の方向と言うべきですが
 これはCAWSねたなのでしょう。嬉しい。
 そして魔法によるポータルが次々と開くこの演出!
 11年、ずっと見てきてよかったと思いましたよ。
 そして満を持しての「アベンジャーズアッセンブル」
 「アベンジャーズ」が強めで「アッセンブル」が若干囁くふうなのが耳に残りました。
・ピーターとトニーの再会。トニーからのハグ。
・スタロとガモーラの再会。でもガモーラは2014年のガモーラなので。
 スタロだけ、金的蹴りをされるために復活したみたいでちょっと気の毒。
・「こいつなの?」「こいつか木の枝の2択だったから」
 姉妹仲良くて何よりです。
・「何が起きるか明かしたら実現しない」
 鑑賞2度目以降、表情を見ているとストレンジ先生、修羅の顔をしている。
 ナターシャの自己犠牲も、トニーの決断も織り込み済みだもんな…。
・ここからのガントレットリレー、結局はバンが破壊されて詰んでしまうんですが
 楽しかった。ピーターは全員に自己紹介してて良い子。
・サノスですら戦艦の砲撃を使わないと対抗できないワンダの能力。
 彼女はメンタルの状態でポテンシャルの変わるタイプですね。
・自分より大きいグルートを庇うロケット。
・そしてキャプマ。パワーバランスについて心配してましたが、
 担当エリアが広い、という社畜の様な理由でクリアしてました。
・女性ヒーロー揃い踏みのところ、事前打ち合わせして待ち合わせないと
 こんなには揃わなくない!? と思いましたが、格好良いのでOK!
・サノスの頭突きにノーダメージ、しらけ顔キャプマ!クール!
・「なら私はアイアンマンだ」
・あんなハンサムで天才でジョークがうまくて、いっつも面白いこといってるパパ、
 ほかにいないよねモーガンちゃん…。
 きっといつか、お父さんは私より世界を選んだんだって苦しむ時間が来る。
 ハッピーや、ピーターや、ロージーや、ハーレー君が助けてあげてほしい。
 そして「パパ、面食いだった…?」って疑われてほしい。
・そしてペッパー、私のために変わってほしいというような
 普通の女性の感情は捨てて、トニーのありのままを全部許す聖母だった。
・ネッドォォォ!天使!!
・お葬式に、ウォンついてきてくれたんだな。
 いや、彼短い間に同僚は闇堕ちするし師匠は死ぬし、
 気の合ってた新入りはサラサラするし、復活したらこき使われるし
 地味に大変だなと思って。
 あとストレンジ先生、どういう気持ちでお葬式に出てるんだろう。
・メイおばさんも参列してた。
・CAFAのセリフを再度。バッキーにセリフあってよかった…。
 お詫びにという訳でもなかろうけど、作画最高バッキーでした。
・それでソーの譲位とキャップの引退。ラストはビッグ3の終焉だったな。
 アベンジャーズオリジナルの6人は結局
 死亡2、引退1、家庭回帰1、流浪1、不明1。
・石の数とメンバーの数が同じだから、
 みなが1つずつ石を持って違う時間、違う惑星に飛んで
 石の守護者になるんだと予想してた頃もありました…。


ビッグ3について

引退が前提条件で、死亡、老衰、流浪、とバリエーションを持たせて、
なおかつキャップについては後継者はヘテロ白人男性以外って考えただろうから
原作でも襲名したことのある彼に。
ソーに関しては北欧神話のモチーフが、
一部地域のネオナチおよび白人至上主義に使われがちなので刷新したい、
あと今後もアスガルドの民は使えるよう置いておきたい、等の理由で
ああいう選択にしたのだと思います。
ハルクについては、シーハルクの可能性を残したいのと、
あの姿ならぶっちゃけ10年後でもスクリーンに蘇らせるのが可能なので
今回は保留になったのだと思います(私は)。

ソーファンの人、およびソロキ、ロキソの人の事を考えると胸が痛い。
IWの時のようなソーの戦い方はキャプテンマーベルとかぶるのでできない、
ではどうするかというのでああいう容姿になったのだと思う
(しかしどんなにボヨンボヨンになってもイケメンはイケメンだったので、
我々デブ部は「痩せたらましになるもん!」という心の拠り所を失った…)
バトルロワイヤルであんなに完璧な解答が出た王たるソーを全破壊だもんな。
家族も故郷も地位も失ったもんな(ただし国民は全員取り戻した)。
本当にソーファンの人は苦しんだり怒ったりして当然。



多世界解釈について

エンシェントワン師匠とバナー博士の会話で、
あの世界では時間遡行による不可逆な変化があると分岐するが
再遡行で一瞬借りてすぐ返すなど修正の利く変化であれば分岐は消滅する。
ということは分かりました。

あの世界はおそらく石を借りた時に7つに分かれたあと
それをキャップが石を戻してすべて消して
最終的に3つに分岐したのだと思う。
1つは私たちの見ているMCUのメイン世界、
もう一つはロキさんが石を持ち逃げした世界、
(ただしこれはキャップが1970に飛んで石を返した後
2012年に行って、後ろからロキさんをしばき倒したら消える筈。
キャップの言ってた「悪い芽はつむ」はこれなのかも。
そうするとあの一瞬世界にはキャップが3人いた事になるけど)
あと2014年のサノスが未来で死んだために指パッチンが起こらなかった平和アース。
そこではシビルウォーは起きるけど誰も死にはしない筈。

映画内で時間移動はブレスレットのみによるものと
ポータルを使ったものの2種あったけど、
たぶんブレスレットは同世界内の時間移動、
ポータルは分岐した世界を越えて元に戻れる装置なのだと思う。
(そうでなかったらポータル必要ない)
雑な図で申し訳ないが、

雑な図

図の2つに分かれている部分が作戦失敗、ロキさんが石を盗んで消えた2012年。
キャップとトニーたちは分岐したC地点にいたけど、
同一過去の1970年であるA地点にはブレスレットで遡れる。
今度現代に帰る時、ブレスレットだとBに戻るかCに戻るか選べないので
ポータルが必要なのだと思う。

ここまで書いたけど、過去改変があるたびに全宇宙をまるごと1つ作るって
そのエネルギーはどこから捻出されるのか。
文章ファイルでも描画ファイルでも、1文字1筆加えるたびに別ファイルにしてたら
いつかメモリが足らなくならない?多世界解釈はなんかちょっと納得できないなあ私は…。


ラストの彼の選択

私は、ポータルからスティーヴが現れなかった、その事実から
彼は事情を全部話しペギーと踊ったけど、
結婚はしなかったんじゃないかと考えます。
長々と並行世界&ポータルの話を書いたのはこれが言いたかったんですが、
スティーヴはポータルから出なかったし、スーツも着ていない。
つまりずっとあの世界で時間を過ごして、サノスの戦いの時も見守っていて
あの日のあの時間に歩いてやってきて、ベンチに座ったのでは?
そうするには、分岐をさせないのが条件になります。
さっきの図を思い出してほしいんですが、
もし過去に飛んだスティーヴが、ペギーと結婚するというような不可逆な改変をすると
分岐C世界に入ってしまい、バッキーとサムの待っているB地点に戻るには
ポータルが必要になってしまう。
なので、A地点のスティーヴは何も世界に変化を加えないまま
B地点まで到達したのではないでしょうか。
長い時間何をしていたかと言うと、
今回失われた人達と対話してたんじゃないかなーと。これは空想ですが。
「タイムスタンプではとっくに戻ってる」というセリフはありましたが
タイムスタンプの仕組みについて色々考えたけど、
あれスティーヴがどの次元どの時間にいるかを逐一チェックするのではなく、
スティーヴの生体をチェックする方式でしょう。
最後のスティーヴはスーツを着てないし。
指輪について明言しなかったのは、製作側の慈悲だと思います。
彼はペギーとの約束を守って、バッキーとの約束も守る最善の道を選んだんですよ。

必死になってペギーとの結婚を回避しようとしているのは
ドラマ「エージェント・カーター」1&2を見て、
彼女は主人公のためだけに存在するご都合ヒロインじゃなくて
人生があり、ちゃんと生きている人だって分かって更に好きになったので
そこを壊されたくないというか。(下記エージェントカーターねたばれです)
子供の頃は姫君を守ってドラゴンと戦うような子だったけど、
当時の常識で普通の女性のように結婚しようとしていた、
でも兄に「自分を偽るなよ。お前は闘うために生まれた」って意見され、
軍に所属し、スティーヴと出会い、好きになった事。
彼女は元々もやしのようなタイプが好みだというのはシーズン2で分かるので
キャップがペギーを選んだように、ペギーもまたキャップを選んだこと。
CAFA以後、組織で女性と言うだけで侮られ冷遇されたけど、
持ち前の鉄の精神力で持ちこたえ、昇進したこと、
そしてキャップに残された人が立ち直れない中、
彼女だけは超人的な強さで前に進んだこと(シーズン1ラスト)。
それらすべてが私のドストライクヒロインなんですけど、
もしEGラスト、ステが彼女と人生をやり直したとしたら
全部キャンセルされて、ペギーは主人公のためだけに存在する、
ご都合ヒロインそのものになってしまう…。
それはちょっと嫌なので必死に理屈を考えました。

ルッソ監督
私は見る映画を役者さんでは選ばず、監督と脚本さんを追うのですが、
(そうするとあまりハズレは引かないので)
しかし人間なので、体調や精神状態、環境の変化、スタッフとの相性は当然あって、
時々は「監督どうしたのこれ?」みたいな作品もあります。
しかしルッソ兄弟は4作全部クオリティに変化なく、
すべて最適解のシークエンスのみが詰まった映画を仕上げてきました。
これはすごい。
監督として一番脂ののるだろう5年間をMCUに捧げてくれてありがとう。
卒業なさるそうなので、
登場人物が3〜5人くらいの、ハンデのまったくない映画が見てみたいです。


11年ずっと見てきて、たぶんMCUについては全作リアルタイムで感想を書きました。
MCUの続編を見るために生きよう!って言葉を掛けあって、
同じものが好きな同士でキャッキャするのも楽しかった。
終わってしまって、ちょっと呆然としてます。
でもずっと見てきてよかったなあ、と思える結末でした。
ありがとうディズニーとマーベルとスタンリーと製作スタッフとキャストのみなさん。
最高のお仕事でした!








2019.04.28 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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