「THE GUILTY ギルティ」










小島 秀夫監督が猛烈にプッシュしておられたので見た、
デンマークのサスペンス。
室内から始まってそこから出ないまま、
電話の会話のみですべてが完結する話です。緊張感がすごい。

主人公は緊急ダイヤルのオペレーターを務める公務員。
元は現場の捜査官だったが、なにか事情があって現在は内勤をしています。
そろそろ交代の時間という頃、女性からの通報を彼は受けます。
どうやら女性は男性に拉致され、現在脅されて車に同乗させられているようです。
主人公は相手の男性の情報や、車種などを上手く聞きだそうと試みます。
果たして主人公は女性を助け出す事ができるのか…というあらすじ。

誘拐された女性の声が印象的で、そしてたぶんとても上手い。
音楽も効果音もほとんどないし、当然現場の映像もありませんが
状況が目に浮かぶような、真に迫った演技です。

全部映像として見たい人、
サウンドノベル的な、想像力を必要とする話が苦手な人にはこの映画は不向きですが、
圧迫感のあるサスペンスが好きな人にはおすすめ!

ラストばれ

最初から主人公が、ちょっと正義戦士気味だなーとか、
態度が独善的だなとか色々匂わせが細やかでした。

オチはまあ、予測可能ですけど、
でもあの自宅に急行した警官が子供部屋で見つけるシーンは
息を止めて見守ってしまいましたね。

顔の分からない人物との電話のやり取りをメインに進行していくサスペンスは多くて、
本作と同じ緊急通報のオペレーターが主役の「ザ・コール 緊急通報指令室」や、
「フォーン・ブース」「交渉人」「グランドピアノ 狙われた黒鍵」、
ホラーですが「ソウ」シリーズ等々。でも大抵は場所を移動して現場でクライマックスを迎えます。
しかし本作は最後までずっと執務室の中にいて、大変珍しい。

終盤で登場人物が、
「警察にも病院にも、自治体にも助けを求めたけど、なにもしてくれなかった」
というようなことを言いますが、どこの国も似たような状態なのかなと思いました。
そして別の登場人物が主人公に、嘘をつかないでほしいと言います。
それがあの告白と、ラストの行動に繋がったのかなと。
(関係ないですが、立ち上がったら主人公めちゃスタイルが良くて、
ずっと座ってたらもったいないじゃんー!?という気がした)










2019.02.24 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





戻る