「アクアマン」










「ジャスティス・リーグ」に続くDCEU6作目ですが、
タイトルロールのアクアマンさん1本目なので予備知識なくても大丈夫です。

アトランティス帝国の元女王アトランナと灯台守である人間の男が恋に落ち、
息子のアーサーが生まれるが、海の王国から追手が来て、
母は連れ戻されてしまう。
アーサーは超人的な肉体の男に成長し、海の悪漢たちを成敗しながら暮らしていた。
しかし異父兄弟のオームが、地上への侵略を画策しており、
アーサーは否応なく巻き込まれていく…というあらすじ。

監督はジェームズ・ワン。推し監督です。
若くして「ソウ」で鮮烈デビューを果たし、
その後「死霊館」シリーズ、「インシディアス」シリーズで
じゃんじゃん稼いで実績をあげ、「ワイルド・スピード」シリーズに起用、
そして今回のDCEUです。
あとMCU、DCEU初のアジア系監督。嬉しいです。
(無印「ハルク」はアン・リー監督だけど、あれはMCUにカウントされてないからね…)

ジェームズ・ワン監督の必殺技は夫婦愛。
今回もアトランナ女王と灯台守のおとんの短いけど濃いラブストーリーに涙を絞られます。
ヒロインのメラすごい強いしでも地上の事は何も知らなくてキュートだし、
主人公の師匠役のウィレム・デフォーが、現在の主君である弟王との板挟みになってかわいかった。
ジェラシーすごい弟王のなかの人は実際は主人公よりわりと年上なんですけど、
頑張って弟役を演じておられます。
死霊館シリーズではラブリーな夫役。(知ってるひとが欲しかったのかな監督…)
なにより主人公を演じるジェイソン・モモアがとっても魅力的でした。
天真爛漫で、素直でワイルドで父親思い。

すごい効率的に山場を作っては次、作っては次、と移っていくので
ノンストレスでアトラクションを巡っていく感じでした。
編集が、ちゃんと効いていてもったりしてない。
エンタテインメントのいいところ全部盛りみたいな映画なので、
「マイティ・ソー?」「パイレーツ・オブ・カリビアン最後の海賊?」
「アントマン2?」「パシフィック・リム?」って所々思いました(笑)

ラストばれ

ブラックマンタ氏という人が出てきて、
彼はアクアマンに終盤気付きをもたらすヴィランなのですが、
ジェラシー弟から支給された超化学兵器を、
持って帰って即分解して塗装するような科学男児スピリットの持ち主で、
「おっまあなんかダサかったから格好良くするんだね」って思ったら
想像を絶する、全ヒーロー映画でもぶっちぎり上位にランクインするほどダセエ、
遮光器土偶みたいなスーツを開発して、なんか好感度が上がりました。
(あえての原作通りなんでしょう…)
見れば見るほどださい…目からビームとか…。

あとジェラス弟は、お母やんが出てきたら子猫ちゃんみたいになっちゃって、
そりゃニコール・キッドマンがお母さんとかマザコン待ったなしでしょうけど、
なかの人45歳なのに…って思うとちょっと面白くて肩がふるえました。
お母さん、生まれたばかりの長男を、地上のアーサー王より偉大な存在になる、
地上と海をつなぐって言ってて、なにか思い出すと思ったんですが
スーパーマンさんのお父さんのラッセルさんも
うちの子は他の子と違って特別製なので、地球の救世主になるんだもんねって感じだったので、
DCEUの親は溺愛モンペが多い印象ですね。
(ドラマを見る限りフラッシュさんの父、義父ともにとてもいい人だし、サイボーグさんのところもそう)
MCUの父はスタークさんがネグレクト風味、ソー父クズ、スタロ父スペシャルクズ、
ガモーラ義父クズクズ、という感じなので、微笑ましいです。
真面目な話、でも本当にアーサーは王を越えた英雄になれて、
それは師匠や父やメラの言葉を素直に受け入れ、
そればかりかジェラシー弟やブラックマンタからも学べる気質を持っていたからなんですよね。

アトランティス帝国崩壊のシーンでは、
DCEUもMCUも北欧バイキング風コスチュームの髭おじいは碌なことしないな…って思いましたけど。

三又の鉾はゼウスの武器を打ち直した云々って言ってましたけど、
DCEUの世界、とりあえずギリシャ神話の神々は実在するって設定でいくのかな。
やがてバットマンさんとゼウスがしばき合ったりする?

海の世界綺麗だった。情報量が多かった。
どうやって撮ってるんだろうと思ったけど、カメラテスト映像を見たら
基本は吊ってて、移動は刺又の親玉みたいなのを使って人力で役者を動かすという
けっこう原始的な方法だった。衣装や髪の揺らめきはCGなんだろうな。

監督どっちかといえば閉じた空間、狭い面積での話がお得意なのに、よく頑張られた。
船を襲撃されるシーンはもろにホラー文法だったけど、
監督的には癒しのシーンだっただろうたぶん…。
続編も同監督でよろしくお願いします!










2019.02.11 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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