「蜘蛛の巣を払う女」









スウェーデンの腕利きハッカーであるリスベットの元に
ある依頼が舞い込んだ。
AIを研究する教授が、自らの開発したソフトウェアを
国家安全保障局から盗み出してほしいというものだった。
仕事を請け負うリスベットだが、
彼女と縁の深いとある人物が暗躍していた、というあらすじ。

監督は「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス。
展開が早く、リスベット側も敵側も、
ミスのリカバリが的確で見ていてストレスがなかった。
面白かったです。
スウェーデン版映画ミレニアム1〜3未見で、
原作1〜3未読のかたがご覧になったらどう思われるかは分かりませんけど。
でも今回は性暴力、児童性虐待要素が薄めだったので
(ゼロではない)娯楽映画として見易かった。

興行成績、評価共に微妙によくないようですが、
このシリーズのテーマはミソジニーで
特に今回は、女に暴力を振るう男から
妻や娘や姉や妹を守る女性の物語という特色が強いので、
世界的に男性客の受けは悪いだろうな、とは思います。

オチばれ!

暗黒アナ雪…?2019年は姉妹萌えの年なのかも。
よし来い!(素振り)と思いました。
主人公の事、大スッキなラスボス、いいですよね…。
両者とも女性ならではの、切ない終わり方でした。
雪深い場所での血なまぐさいやりとりは、
美しい出来事のように錯覚できるのがよいです。

あれから2年というようなセリフがありましたが
果たしてダニクレとノオミ・ラパスの
「ドラゴンタトゥーの女」から2年という意味なのか、
それとも原作通りの時系列で「眠れる女と狂卓の騎士」からなのか、
ちょっと判断に迷う所ですが、
リスベットのおとんが死んでるので?おそらく後者なのかな?

OPは、ちょっと「攻殻…?」って思いましたけど、
リスベット登場時、背後の像とシルエットが溶けて
黒い羽の生えた生物に見立てているところで、
アルバレス監督で正解!って気がしました。

teamリスベットの巻き返しターン爽快でした。
あんな距離で外壁が抜けるの!?
ていうかあのサランデルさんちの壁の素材は何なの?
あんなぺらぺらだと寒くない!?

でも原作者スティーグ・ラーソンが亡くなって、
長年のパートナーだったけど結婚していなかった為に
著作の権利をラーソンの実家に全部もってかれた女性、
(遺族から女性に金銭は支払われたようだけど)
ミレニアムシリーズ共著者と言われていたエヴァ・ガブリエルソンが
続編を書いたのだと思っていたら、
出版社の依頼で別の男性が書いており、ちょっと腑に落ちない。
関係者全員が納得しているんだろうか。












2019.01.15 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





戻る