「あゝ、荒野 前篇 後篇」









寺山修司の長編小説を映像化。R15+
吃音症で人と会話のできない建二は父親の暴力に耐えかねて家出をし、
1人で暮らしている。
父親が自殺して母親に持捨てられた新次は詐欺などで稼いでいたが
逮捕され刑務所に入る。
そんな2人が出会って、ボクシングを始めるという話。

設定を近未来に変えてあって、被災要素がからんでくる。
あとボクシングの対戦相手が兄貴分の仇とかそのあたりもオリジナル。

怒りと暴力衝動と親子の情と老いとエロス。にんげん。という感じ。

内容ばれ(あまりおもしろくない性表現の話)

ただ、エロシーンほとんど前戯なしにブスっと挿入して
前後運動して終了。
主人公が出先でイラっときたら、彼女の家に駆けこんで、
説明なしに押し倒して、到着1分ほどでブスっと(略)
女性はちゃんと感じて、終わった後なんかドリーミンなことをお喋りする…。

交際経験を重ねた大人なら大丈夫なんでしょうけど、
若い人に対して、こういうの超ファンタジーだから、
格好いいぜ理想の性行為だぜとか思っちゃだめだよー、
女性はこういう場合、相手が彼氏でも我慢しちゃだめだよー、
とか余計な事が気になって本筋に集中できなかった。
(原作だとヒロインは色情狂らしいのですが)
男性のロマンの映画ですね。後篇で覆るといいんですけど。




悲願を果たす新次。
しかし健二は、新次と戦うために
別のジムに移籍する。
兄弟のように馴染んでいた2人は、
とうとう拳を交えることになるが…というあらすじ。

男性同士の濃厚な感情のやり取りを描く場合、
「同性愛じゃないですよ!違いますよ!」と主張するためか、
やたらシーンのつなぎ目に男女の性行為を入れる傾向にありますが、
(いや、違うのかな?鍋と雑炊みたいに暴力と性がセットなのかな?)
この映画の性行為要員の女性3人は、
みんな黒髪ストレートロング、痩せた体型、薄幸顔のかたで、
ちょっと混乱しました…。

菅田将暉さんは勘のいい役者さんで、
どんどん吸収して演技の幅を
広げていらっしゃるなあと思いました。








2019.01.10 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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