「メアリーの総て」









超有名怪奇小説にしてSFの開祖とも言われる
「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」を
十代で執筆したメアリー・シェリーを描いた映画。
オカルトっぽい切り口で描かれがちなディオダディ荘の怪奇談義を
愛憎とフェミニズムという、ありそうでなかった角度から表現。
監督はサウジアラビア出身のハイファ・アル=マンスールさん。

思想家を父母に持つ16歳のメアリーは、
美しい貴族の青年シェリーと出会って恋に落ちるが、
最初は理想の相手と思えたシェリーに妻子がいたことや、
金に困っていることなどが次々と判明し…というあらすじ。

ラストばれ

シェリーがあまりにもクズ寄りのキャラクターになっているので
ラストはちょっと「え…そいつでいいの…?」と不思議に思いましたが、
事実を変えるわけにはいかない。
しかしまあ最初から双方自由恋愛でという意思確認はしているので、
騙されたという訳でもない。メアリーも正妻からシェリーを略奪している訳だし。
むしろなぜ自分にだけは誠実でいてくれて、
一夫一婦制を守ってくれると勘違いしたんだメアリー。

父と母から教養と創作への情熱を受け継ぎ、
ずっと文章を愛し続け、
自分の人生をすべて注いでフランケンシュタインの物語を創造するくだりは熱かった。
(しかし怪物=女性というのは私とは解釈違い…なぜなら怪物が作中でずっと
「女くれ女!女!女!」って言ってるから)
フランケンシュタインは、最初から最後まで文章の調子が一定に保たれ、
十代でこれを書いたんなら、メアリー女史はかなり冷静な人だったんじゃないかなと
私は思ってました。

ディオダディ荘の関係者、早世したり自殺したり病死したり自殺したり
これまではオカルト案件にしか思えなかったのですが、
この映画を見て、そりゃあ昼間から酒飲んで室内にこもってこんなに放蕩三昧してたら、
借金もかさむし、鬱にもなるし痴情がもつれるし病気にもなるわ…。という気付きを得ました。











2018.12.16 サイトに掲載

2019.01.01 再掲載





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