「ヘレディタリー 継承」









ホラーファンの間で話題になっていた映画です。
本国公開数か月後に見られて嬉しい(マイナーなホラーは1年遅れが普通だから)。
オカルトホラーにプラスして、人間の心がじわじわ駄目になる系なので、
見ると精神的なダメージを受けますが、
最近連続で公開されたスタジオA24のホラーの中では一番好きです。

ミニチュアアート作家の主人公は、夫と2人の子供を持つ主婦。
最近母親を亡くしたばかりで、精神的に参っている。
彼女の周りで不思議な出来事が起こり始め、
うまくいっているかに見えた家庭は徐々に崩壊していく、というあらすじ。

伏線があって、「こうなったら嫌だな」と思ったことは
想像の2割増し酷い形で大抵その通りになります。
犬好きのかたは、ちょっと注意(死ぬ瞬間は映らないけど死ぬ)。

ラストばれ

プロットは、「パラノーマル・アクティビティ3」と同じですが、
この家は元々免疫力が低下していて、
怪異を拒絶するちからが最初からない。
序盤からもうだめだ…って感じがしてました。

お父さん鬱で餓死、お兄さんも鬱で自殺、
お母さんは乖離性人格障害、本人は夢遊病って、
どれが病理でなにが怪異だったんだろう結局。
自分と子供にシンナーをぶっかけて
マッチ持って立ってる夢遊病のお母さん…っていう経験をしてるのに、
どうして寝室のドアに鍵を掛けないんだ息子くん…。
ペイモンさんはアザゼルさんとニアリーイコールなのだな。

妹ちゃんの癖の使い方と、あと発狂したお母さんの空中芸が好きです。
あの家、三代に渡って首を切断されてる。
どうしてお父さんが燃えたのかは謎ですけど、
あのへんになるともう完全に遊ばれているのだろう。

息子は守り通したけど、娘を差し出したとか、
めっちゃさらっと言ってるけど、よく考えるとえぐい。

部屋の隅にいるような、気のせいなような、
ギリギリのライティングがかなりいいので、スクリーン向きかも。
モニタで見ると真っ黒になる可能性がある。










2018.12.03 サイトに掲載

2019.01.01 再掲載





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