「ブレンダンとケルズの秘密」









(原題:The Secret of Kells)

バイキングの侵略を常に警戒し、
高い防壁を築いて暮らす村落があった。
その集まりのリーダーである修道院長は甥のブレンダンを厳しく躾け、
決して壁の外に出てはならないと戒めるが、
尊敬する写本家にインクの原料集めを頼まれた彼は
こっそりと森に出掛け、
そこで少女の姿をした人外の存在、アシュリンと出会う…というあらすじ。
世界で最も美しい本と言われる「ケルズの書」を題材にしたアニメーションです。
フランス、ベルギー、アイルランド合作。
「ソング・オブ・ザ・シー」のトム・ムーア監督とノラ・トゥーミー監督。

人間の持つ美への情熱と執着、それと救済を描いてます。
全体的に色彩設計が緻密で、
どこか幾何学的なキャラクターデザインに、よく合ってました。
大きなスクリーンで見たかった。
(でも公開劇場が少なく、期間も短かったです)

ラストばれ

ケルズの書の装飾絵が、立体構造物となり(3Dという意味ではなく)
分解されるアニメーションは、心底、大スクリーンで見たかった。

「もう疲れた。たのむ、構わないでくれ」
とまで言っている修道院長に、
「あなたは修道院長です。立たれよ」
って言うの、鬼すぎると思いました。
そりゃあ疲れるし、嫌になるよあんな人生!
でも、ラストシーンがあれだったという事は、
映画のメインテーマは彼の救済だったという気がするので
良かったねえと思いました。

美は、暴力に対抗する剣にはなりえないけれど、
暗闇を払う明かりにはなるので、人間には絶対必要です。

それはそれとして侵略者の上に煮えたぎった湯か、可能なら油、
または大岩か腐敗した死骸、糞便を落としてやりたかった。
防衛のみというのはどうしても不利だ。

日本のアニメだったら、100%確実に
アシュリンとブレンダンの冒険譚になったと思います。











2018.10.05 サイトに掲載

2019.01.01 再掲載





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