「さよならの朝に約束の花をかざろう」 金の髪に白い肌、若く美しい姿のまま長い年月を生きる種族がいた。 彼等は集落を作ってひっそりと暮らしていたが ある日、大国の軍隊の襲撃を受け、村を焼かれてしまう。 運よく逃げ延びた主人公は死のうとするが、 母親の遺骸に守られた乳児を見つけ、赤子を育てようと決意する。 子どもは成長し、青年になるが、いつまでも少女の姿のままの美しい母親を 異性として意識し始める…というあらすじ。 脚本家の岡田麿里さん初監督劇場用アニメです。 岡田さんには鉄血で随分と楽しませてもらった(り辛酸を舐めさせられたりした)ので、 お布施〜って思って見に行きました。 劇場用アニメで女性監督って珍しい気がする。 キャラクター原案が吉田明彦さん、音楽川井憲次さん。 劇場用オリジナルアニメで数字が出るのって、 現代日本が舞台で、キャッチーな音楽が鳴って、恋愛もの+αが多い印象なので、 ドファンタジー、うっすら近親相姦、うっすら監禁凌辱妊娠もので、 大丈夫なのこれ!?って余計なお世話ながら心配になりました。 メインのお話はちゃんと筋が通っててピュア系なんですけど、 サブのお話がわりと鬱で理不尽です。 オタクの若年層鬱好きを狙い撃ってる。 あ、でも男女両方に刺さるようにフックが用意してあります。 私は吉田さんのキャラクターが動いているのに興奮しました。 童顔に鼻がない!やったー! ラストばれ メインの話は、固い定石なので特に言う事はないんですけど、 レイリアのお話がカオスだなあって思いました。特にレイリアの娘。 父に疎んじられて育ち、ずっと恋焦がれていた母親と初めて会ったら、 彼女は少女のような美貌を持つ女性で、 「私の事は忘れなさい。私もあなたの事は忘れる」 と宣言して一瞬で飛び去ってしまい、 自分の今後はと言えば敗戦国の姫で、父は自分を捨て置いて逃げたし、 処刑、あるいはもっと悲惨な運命が待っている、という。 というかレイリアは、娘に会いたい一心でクリムの手をはねのけて、 それでクリムは泣きながら独りぼっちで死んだのに、 娘に会った途端に投身自殺しようとしたのはなぜだろう。 そしてどうして娘を連れていってあげなかったんだろう。 せめて城の外に逃がしてあげればいいのに。 その理由が、民族の特徴を受け継いでいない娘の姿にあるとしたら暗黒すぎる。 関係ないですがあの一族の不老長寿は 遺伝に加えて、何らかの感染症の母子感染がトリガーだったら面白いなって思いました。 なので母親と一切接触させなかった娘ちゃんは普通の人間になってしまった。 出産した直後に、幼馴染の旦那に、子供の頃、あんな意地悪な事言ってごめんね って妻が謝るのは、岡田さんらしい、いいセリフだなって思いました。 建築物が全体的によかった。特に民家の、 ハーフティンバー様式とアールデコが合体したみたいな外壁。 細田さんの次の新作も少女と幼児のようだし 今期のプリキュアも育児ものだし、美少女育児もの流行りなのかな? 2018.03.01 サイトに掲載 2019.01.01 再掲載 戻る |