「羊の木」









吉田大八 監督
過疎化対策として、仮釈放された模範的な囚人の身元を引き受ける制度の
モデルケースとなった魚深市。
市の職員である主人公は、その秘密のプロジェクトの担当となり、
6人の殺人者の衣食住や職のケアを行う。
最初は上手くいくかと思われた試みだが、土地の祭りをきっかけに
不穏な事件が起こり始め、やがて…というあらすじ。

誰かの思惑で事件が動いたりするわけではなく、
淡々と悪いほうへ、または良い方向に変化していきます。
「スリー・ビルボード」ほど苛烈で緻密ではないけど、
日本における受容と許しの話と言えるかも。

腐女子が「我々への挑戦かコルァ!」て言いたくなる、
なんかこう友情迷子みたいな2人が出てきますが、
吉田監督にはBLの素養はないのできっと偶然の産物でしょう。
(理髪店の店主が……らしいですけど)
吉田監督はNTR趣味があるな…って今回思いました。

原作では移住してくる元受刑者は11人だったらしいですが、
更に減らして4人くらいにしてもよかったのではと思いました。

内容ばれ

途中で「クトゥルフものか…!!!」って思ったんですけど違った。
のろろ祭にインパクトがありすぎて、本筋が頭に入らなくなりました。

松田龍平さんって、登場したら「この人が一番ヤバイ」ってすぐにわかる
サイコがパスの演技と、おっとりした善人の演じ分けがすごいですね。
主人公的な人にとっての運命のひとを演じる才能。
宮腰くんが「友達」って言うと、なんか切られるようなつらさがありました。

優香さんのシーンへの男性の食いつきがすごいんですけど、
うん、でもまあエロかったですね。
エロさって3種くらいあると思うんですが、
やっぱり判断能力が低いっぽいエロさというのは強い。
本筋に何ら絡まないので地上波放映があったとしたらカットされそうではあるけど。

そういえば、桐島のときに「主人公に脈あるよ!」っていう男性の意見が目立ったんですけど、
私は(原作主人公には脈あるけど)「脈とか一切ないよ…」って思ってました。
でも今回は、ちょっと脈あると思います(笑)











2018.02.27 サイトに掲載

2019.01.01 再掲載





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