「DESTINY 鎌倉ものがたり」 幽霊や魔物と人間が共存する鎌倉。 ミステリー作家一色正和と結婚した亜紀子は、持ち前の大らかさで、 霊や河童や貧乏神がひょっこり姿を現す日々に慣れ始めた。 しかしある日、トラブルから魂が体から抜け出てしまった亜紀子は… というあらすじ。 山崎貴監督作品。 予告がいまひとつだったのと、 山崎監督の「永遠の0」「STAND BY ME ドラえもん」 どっちもだめだったので、この作品も合わないだろうなー… と思っていたら、案外面白かったです。 一色先生が警察の顧問になっていて殺人事件の推理をしたり、 (原作ではむしろこっちがメイン) 幽霊申請とそのしくみ、夫を日露戦争で亡くした謎のお手伝いキンさん、 人間も利用できる魔界のマーケット、夜市など、 細々した日常パートが良かったのでした。 ラスト30分が予告で推されていた黄泉パートなのですが、 盛り上げようとする意図がやや露骨ながら伏線回収もあったりして、 上映時間129分が長くは感じられませんでした。 ラストばれ 堺さんは安定の堺さんだし、とと姉ちゃんの高畑充希さんは役柄に合ってたし、 全ての邦画に出演なさってる國村さん、るろ剣で翁をやっておられた田中泯さん、 出番一瞬だけど存在感のすごいムロツヨシさん、堤真一さん、薬師丸ひろ子さん、 役者さんの層が厚かったです。 安藤サクラさん演じる、ざっくりしてそうで案外ケアの細やかな死神が印象に残りました。 死んで不安な時にああいう人が来ると安心できそう。 鎌倉の人は死ぬと江ノ電に乗ってあの世に行くという設定が素敵です。 関西だとどうだろうって考えたんですが、JRしか思いつかない(笑)。 とりあえず滋賀京都大阪和歌山奈良兵庫がカバーできるし。 (もはや出勤となんら変わりない) やや皮肉っぽい見方をすると、 金麦嫁を彷彿とさせる、男性ドリームの詰まった嫁なのですが、 (原作だと年齢差、約10歳、中の人だと約20歳) でもまあ世間慣れしない無垢な嫁を旦那が守って大切にし、 他のモブにも求愛されて取り合いになって困っちゃうという女性ドリームも、 きちんと組み込まれているので、win-winでいいじゃないのと思います。 あ、でも1つだけ言わせてもらうなら、 男性の肩に愛おしそうに頬擦りする猫のような仕草、かわいいですけど ファンデーションのがっつり載ったあの状態でやると、 スーツも和装も即クリーニング、しかも一刻を争う状態になります…。 男性の方は憶えておいてください…。 (一瞬触ったくらいは大丈夫ですけどあれはアウト) 貧乏神はラストで来るだろうと思ってましたがまさかあれとは。 あと両親の伏線とキーホルダーの伏線もよかった。 キーホルダーに関しては、もしかしてタイトルは嫁じゃなくて、 一色先生と奴の話なんじゃないの…?って思いました。 2017.12.19 サイトに掲載 2018.01.30 再掲載 戻る |