「シンクロナイズドモンスター」









カナダ・スペイン製作。
監督・脚本:ナチョ・ビガロンド
今年見た映画の中で、奇抜・オリジナリティ枠はダントツで
「スイス・アーミー・マン」で、
年内はこれに及ぶものは出ないだろうと思ってましたが出た!
なんだこれ!

無職になって1年のヒロインは彼氏の家に居候し、
アルコールに依存しながら暮らしていたが、
度重なる常軌を逸した行動に愛想をつかされ、追い出される。
仕方なく実家に戻り、自堕落な生活を続けるヒロインだが
ある日、衝撃的なニュースが世界を震撼させる。
ソウルに巨大生物が突如出現し、街を破壊したのだ。
怪物の出現は続く。しかし怪物の出現時間とその動きに、
自分との共通点を見出したヒロインは、まさかと思いつつも
ある恐ろしい仮説を立てる…というあらすじ。

巨大生物は出てきますが「パシフィック・リム」みたいなスペクタクルではなく、
駄目人間の内面と成長の話だと思うどっちかというと。
「スイス・アーミー・マン」はちょっと駄目な人々の好意の物語で
主要登場人物のことみんな好きだったけど、
「シンクロナイズドモンスター」はだいぶ駄目な人々の醜い感情の物語で
誰のことも好きになれなかった…。
立派な人間なぞ面白くない!
映画はやっぱり癇癪持ちとかアル中とか駄目な人間の話でないと!
という人はかなりハマると思います。

ラストばれ
最初はいい人として登場するヒロインの幼馴染が、
アル中、癇癪持ち、支配欲求が強い、暴力的、と役満で
クズというか治療が必要な人に見えました。
やらかしたあとはしおらしくなって反省するんだけど、
スイッチが入ると元通りなところとか気持ち悪かった。
私はなんでヒロインが彼を殺さないのか不思議で不思議で
ずっとキル!キル!って心の中でコールしてました。
自分は飽きて捨てられたって言ってた元カノの件も
本当は相手が必死で逃げて今も怯えながら暮らしてるんだよきっと…。

ヒロインも、ものすごく衝動的で
元カレと帰るから!って宣言したとき
何か勝算があるんだ…槍とかチェーンソーとかで殺す気なんだな…
って思ってたらまったくの無策だったので仰天した。
お前たちは人命を何だと…。

田舎のボンクラ仲良し組も、最初は楽しそうだったけど
段々そうじゃなくなってきて、
女性に暴力をふるった友達の尻拭いに来たイケメン君が
困ったように笑ってるのとか怖かった。友達ならビシっと言えよ!
あとラストシーン、報道見て笑ってるのも怖い。
友達は確実に死んでるよね?どういう人間関係だったの。

ラストで大きなカタルシスはありましたが、
行きつくまでの過程で得たストレスがそれを上回った。
でもともかく斬新な作品であることは間違いないし、
アン・ハサウェイの脚本の選択眼は確かだと思う。

布団のこと「フートン」って言うの、ニンジャスレイヤー言語だと思ってたけど、
この映画で普通に言ってたので驚いた。でもあれ布団かな…?










2017.11.13 サイトに掲載

2018.01.30 再掲載





戻る