「女神の見えざる手」









政治家や企業、国家に雇われて、民衆の動向をリサーチ、
あるいはあらゆる手段で情勢を操作するロビイスト、
主人公のエリザベス・スローンは腕利きとして有名な女性で、
オファーが引きも切らなかった。
しかしある日、女性有権者に銃の必要性を訴えてほしいという
依頼を受けた彼女はその仕事を蹴り、逆陣営に雇われる。
圧倒的不利な状況の中、彼女は徐々に票差を詰めていくが
銃規制反対派による妨害工作により思わぬ窮地に立たされる…というあらすじ。

女性主人公の映画って
恋愛もの友情もの家庭そして病気とかそんなのばっかり…。
って不満を言ってたのはつい最近なんですが、どんどん出てくる
冒険活劇にアクションにサスペンス。嬉しい限りです。
この映画のすごい情報量、すごい駆け引き、
猛スピードのチェスを見ているようでした。
食事は単なる栄養補給、睡眠不足は薬で調整して、性欲は男を買って解消、
プライベートはほぼ無いヒロイン、新鮮でした。
逆に、ヒロインの努力や涙やダメなところ、
人間味が見えないと好きになれない…っていう人にはこの映画は合いません。
私は好きです。ドス黒い駆け引きもあったけど、後味は悪くないと思う。

内容ばれ

あれだけ乱射で死んでるのに、どうして登録制にしないんだろう…。
って思ってましたが、
銃支持派によるキャンペーンの予算は、銃の規制派の38倍なんですね。
そして登録制支持派のほうが圧倒的に多いのに、
投票率が36%のために実現しないという!
選挙に行くだけで自分達の生活が飛躍的に安全になるのに!
投票率に関しては他国の事をどうこう言えませんけど…。

議論にもチェスや将棋のように定石があって、
慣れている人なら次に何を言うかが見えるんですね。
フグシェフのところ面白かった。
(フグを調理するには免状が必要=銃を扱うにも登録が必要)

登場人物のほとんどが頭よくて仕事に人生を捧げてるんですが、
主人公を1番敵に回したくないって感じるのは、
それは眠らない人を相手に戦うのは絶対嫌っていうのと
あと道徳上打てない手がほぼないっていうのが無敵だからかなって思います。
主人公は高機能の脳が常に高速で動いていて、
止まるときっとサメみたいに死んでしまうのでしょう。

「アトミック・ブロンド」を力の草薙素子とすると、
これは知の草薙素子だと思う。
多く人と同じ意見ですが、彼女が銃規制に固執する理由を
まったく明かさなかったのはクールだった。

ところであのブリ虫ロボってバルサン焚いたら死ぬのかな?











2017.11.10 サイトに掲載

2018.01.30 再掲載





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