「ゲット・アウト」








人種差別ホラーとしてちょっと話題の映画。
主人公のクリスは、彼女の実家に初めて訪れる。
自身が有色人種で、
彼女とその両親は白人であることを気にしていたクリスだが、
リベラルな彼等の態度に不安が薄れる。
しかしその家のメイド、庭師が共に有色人種であるのを見て
かすかな違和感を覚える…というあらすじ。
違う人種の恋人を持つ人なら誰でもちょっぴりトラウマになりそうなあらすじです。

監督脚本はジョーダン・ピール。
本職はコメディアンで今作が映画デビュー。すごい完成度です。
「ホラーとコメディは似てる」という監督の意見に同意。似てるー!

オチばれ注意!

おちは若干トンデモ系のように思う。
そ、その処置をその貧相な設備で!?スタッフ1人で!?
って思った。
けど人物描写はとっても良かったです。
男性主人公としては世界トップレベルに空気を読んで我を張らないクリス、
上流階級の高収入カップルそのものの夫婦、
美人で仕事のできるお母さん、じょぶずのコスプレをしているお父さん、
弟は、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズさんだって全然気付かなかった。
随分顔立ちが変わったような。
メイドさんは顔が大写しになっているだけで怖かった。
演技のせいなのか、目鼻立ちが大きすぎるせいなのかは分からない。
終わったあとで調達係の人がヘルシーなドリンクと
なんかカワイイ色のスナックを食べながら、次に備えてネットを見ているシーンとか
小道具が丁寧でよかったです。
背後にトロフィーの写真がずらずら並んでたり。それにしても凄腕ですねあのひと。
そのコミュ力を分けてほしい!

最初にパン側から撮った買い物シーンで、おいしそうって思ったんですが
思えばあれも伏線…?そういえばあれも伏線…?あれも…?
ってあとで考えました。
一番大きなどんでん返しは「実は差別じゃなかった」ってところだと思うんですが、
(だから日本人の田中さんが混ざっているし、おじいちゃんが陸上で勝てなかったエピソードがある)
(でも差別心もあって、捻じれて奇妙な事になってる)
そういえばタイトルもダブルミーニングになってますね。

後味の悪い話ですが、主人公の親友がめっちゃいいやつで
ラストは割とほのぼのしました。ホラー界にもぽっちゃり天使の波がやってきた。
あと大筋には全く関係ないですが、私の見た洋画の中で
「犬に人間の食べ物をやらないで」って明言したのはこの作品が初めて。

この映画と同じ事を、黒魔術でやっている夫婦が出てくるホラー映画があって、
そちらも人種差別がテーマで終盤に大きなどんでん返しがある秀作なんですが、
タイトルを書くとねたばれになってしまうので、書きません。
おすすめなので、いつか偶然目にされますように!











2017.11.02 サイトに掲載

2018.01.30 再掲載





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