「猿の惑星: 聖戦記」








3部作、堂々の完結です。
1作目から段々と人間の占める割合が減っていき、
今回はほぼ猿、猿、猿!
それでも製作費の3倍の成績を上げているのだから大したものです。
(3倍で、なんとか黒字が出ると言われている)
1作目から脚本に携わっていた
リック・ジャッファとアマンダ・シルヴァー夫妻が抜けた。

群れを率いて静かに隠れ住んでいたシーザーだが、
ある日人間の襲撃を受け、妻子を殺されてしまう。
復讐を誓うシーザーは武装した人間たちを追うが…というあらすじ。
なんとなく人間がこれまで辿ってきた歴史、あるいは創造した物語を
ふんわり暗喩する感じでした。
南北戦争、ホロコースト、あと「出エジプト記」や「闇の奥」。

ラストばれ

旧作に繋がります。
猿たちの文明が急激に発展して、ノヴァはあのノヴァになるのか、
コーネリアスはあのコーネリアスなのかは不明だけど。

ウディ・ハレルソンが敵役を怪演。
「グランド・イリュージョン」や「ハンガー・ゲーム」などの善人役もいいですが、
この映画の大佐のような、気の違ったヴィラン役が似合いますね。
でもこの大佐は、自分の手を汚し自ら前線に出る覚悟があるので、
クズという感じはしない。
知性が無くなったら人間ではなくなってしまうという恐怖は理解できる。
たぶん言語による思考と記憶の蓄積ができなくなって、
情動のみの状態になるんだろうけれど、
あの感染スピードからして完全に詰んでるし、
絶対に人間を滅ぼして猿にチェンジしたい!という断固たる意志を感じる。

3作で技術が蓄積されたのか、
理知的な猿たちの表情が大変良かった。
憎しみを理解し、義務を果たし、約束の地で生きることなく去ったシーザーは
実際には存在しないキャラクターだけど、ものすごくリアルでした。









2017.10.17 サイトに掲載

2018.01.30 再掲載





戻る