「ドリーム」









天才的な数学の才能を持ち、
帰還船帰還ルート等の計算によりマーキュリー計画やアポロ計画に
多大な貢献をしてのちに大統領自由勲章を受章、
ラングレー研究所の建物に彼女の名前が冠せられる事になる
物理学者・数学者キャサリン・ジョンソン、
NASAで初めて管理職に就いたアフリカ系アメリカ人女性の
ドロシー・ボーン、
同じく初めて技術者になったアフリカ系アメリカ人女性の
メアリー・ジャクソン、
3人の才能溢れる黒人女性が差別や偏見の中で
成功していく様を描いた作品。

人種差別がテーマではありますが、舞台がNASAなので、
あたまのわるい暴力とか怒鳴り合いのシーンはありません。
(NASAの外に出ると、図書館やバスの中など
至る所に歴然と差別がある訳ですが…)
彼女たちの生活水準はたぶん他のカラードに比べて高く、
配偶者は理解があって優しく、恋愛は可愛らしく、
そして彼女たちのファッションはそれぞれの体型に合った魅力的なもので
見ていて楽しく、何よりも彼女たちには才能があって努力を惜しまず、
プライドがあり、反論や意見表明が知的です。
見ていてスカッとするエンターテインメント映画でした。

内容ばれ

NASA内の差別である無視と無関心、
不平等な制度にも彼女たちは臆せず立ち向かいます。
あの無視集団が最後にキャサリンのために一肌脱いだりしたら
むしろ嘘くさいと感じたと思うので、最後までよそよそしく終わったのは
丁度よい温度加減でした。
あの仕事仲間の人がラストでキャサリンのために
コーヒーを淹れてくれた事で十分伝わった。

キャサリンがあの職務に就いたときには非白人トイレは
すでに撤廃されていた等、細かい創作は幾つかあるようですが、
それが全部上手くカタルシスに繋がっていました。

公開前の邦題は「ドリーム 私たちのアポロ計画」でしたが、
映画内で主に描かれるのはマーキュリー計画だったため、
SNSで炎上、本国の監督にまで話が及んだ末、
結局は「ドリーム」というタイトルになりました。
私は元々映画はホラーしか見なかったホラー勢なので、
邦題に関する感覚はガバガバ、
今回も「へー」としか思いませんでした。
見終わってもやっぱりタイトルに関しては「へー」です。

そんな私が許せない邦題は
内容誤認識を招くうえに昭和の歌謡曲みたいな脱力タイトルになった
「裏切りのサーカス」
訴求力の全くない、ジャンルさえも曖昧な
「声をかくす人」
あわよくば歴史サスペンスと思わせたいスケベ心は分かるけど、
中身はリンカーン大統領が襲いくる吸血鬼を斧で斬りまくるアクション映画だよ!
どうして原題のままにしないんだ、あと秘密の書って何の事だ!?の
「リンカーン 秘密の書」
以上3タイトルです。










2017.10.03 サイトに掲載

2018.01.30 再掲載





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