「帰ってきたヒトラー」








1945年、自殺直前だったアドルフ・ヒトラーはなぜか現代にタイムリープする。
キオスクの主人に介抱された彼は、物真似コメディアンだと勘違いされる。
変わり果てたドイツに驚愕するヒトラーだが、
現代の祖国の問題点や最先端のテクノロジーをどんどんと吸収し、
その政治批判は人々を魅了し、次第に賛同者も現れる…というあらすじ。
原作はドイツのベストセラー風刺小説。

昔の人がタイムスリップしてきて、現代のあれこれにウヒャー!っていう
鉄板のコメディパターンなんですが、
ネタがネタだけに最初から「これは面白いシーンなの?どうなの?」
って不安感が付きまとうし、段々その不安が大きくなってくる。

雑踏でゲリラ撮影を行った部分もあると聞きますが、
目線の入ったひとなどは、自分が映るのを了承しなかったんだろうか、
それともあれは演出だろうか。
移民に対する不満とか、
いつまでも第二次世界大戦のことをガタガタ言われたくないとか、
うんまあ本音…って思ったんだけど、
人間は心の中で何を考えるのも自由で、
だけれども差別感情や鬱屈や嫉妬、コンプレックスなどを他人に利用されて
操作されて扇動されるのだけは
本当の本当に警戒しなければならないし、それだけは教育すべきだと思います。
たとえ国民全員冷酷人間みたいになったとしても。
国民全員戦争犯罪者orテロリストになるよりましだ。

原作はヒトラー視点の物語なのだそうです。面白そう。
「我が闘争」がドイツでは発禁本で読めないって知らなかった。
でもよくそんな状態の国でこの映画撮れたな。すごい。








2017.07.28 サイトに掲載

2018.01.30 再掲載





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