「お嬢さん」 監督パク・チャヌク 原作サラ・ウォーターズ「荊の城」 原作はこのミステリーがすごい!2005年の海外編で1位をとりました。 BBCでドラマ化もされています。 映画では舞台の英国を、日本統治下の韓国に変えて、 令嬢のモードを、富豪の日本人令嬢秀子に、 詐欺師のスウを、韓国のスラム育ちのスッキにしています。 2時間30分と長い映画ですが、3部構成でどんどん話が裏返っていくので ものすごく短く感じました。 あと百合萌えしたー! 男性向けサービスのポルノっぽいベッドシーンが長いのと、 パク・チャヌク監督通常営業の残虐シーン、 それと変態性癖炸裂シーンがあるので、ご家族との映画鑑賞には向きません。 あと中途半端な仲の友達とかカップル向きでもありません。 エログロ大丈夫な百合萌え属性のかたと、 乱歩的変態耽美の好きなかたにおすすめします。 詐欺一団と共に育ったスリのスッキは、 リーダー格の詐欺師に、莫大な資産を持つ日本人の令嬢を籠絡し、 結婚した後は施設へ閉じ込めて財産を奪うから、 お前はメイドとして屋敷に入り込み、手引きをしろと命令を受ける。 成功報酬の大きさにひかれて屋敷へ入ったスッキだが、 令嬢秀子の美しさに圧倒され、そして孤独な彼女に同情し、 徐々に好意を抱くようになる……というあらすじ。 ネタバレ! 完璧な計画を立てて冷静に行動していた秀子お嬢様が、 あと少しで自由を手に入れられるところで、 「珠子(スッキのメイドとしての日本名)が私の事を見てくれない! 珠子のばか!もう知らない!」(こんなことは言ってない)とばかりに 首をつろうとするシーンが大好きすぎて、ニヤニヤを抑えるのに必死でした。 1部でさりげなくロープが垂れてて伏線になってたところも好きです。 泣きながら秀子お嬢様を助けようとするスッキに 「あなたの事が心配よ……」って言うお嬢様に完全同意でした。 スッキがちょろ可愛すぎて…。 そのあとの2人のやりとりも好きです。 あと書斎の大破壊ですね。 本が破られるシーンってちょっと苦手なんですが、 RPGのNPCみたいにウロウロオロオロと スッキのうしろを付いて回るお嬢様が可憐だった。 「彼女は私の人生を変えるためにやってきた破壊者。 私の珠子。私のスッキ」みたいな(たぶん細部が違う) お嬢様の独白も好き。 夜の平原を2人で走るところもよかったなあ…。 朗読会の変態性については、あ、ハイ……って感じでしたが、 女児の頃の秀子が、性器の名称を朗読させられていて、 つい笑ってしまって叔父が激怒したところ、 なんで怒るのか分からなかったのですが、 叔父にとって性に関する事はすべて神聖なので 笑うとは何事だ!って感じだったんでしょうかね。 私、結構性的な事と笑いを合体させて それでいてエロティックな創作物とか大好きなので この変態とは趣味が合わんな……と思った。 あとあの叔父は、能が不のかたなんじゃないかと、ちょっとそんな気がしました。 最後のシーンは、DVD特典にすればいいのになーって思いました。 ボートの回想が綺麗だったので。 2017.03.12 サイトに掲載 2018.01.30 再掲載 戻る |