「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」








ティム・バートン監督作品です。
大好きだったおじいちゃんのショッキングな死で
精神が不安定になった主人公は、
カウンセラーのすすめもあって、むかしにおじいちゃんが語っていた
不思議なお屋敷がある、ケインホルム島を訪れるが…というあらすじ。
ティム・バートンっぽさをうまくアクセントにして、
ちょっとグロテスクな、でも上品さもあり、愛らしく、
わくわくハラハラする、バランスのとれたエンタメ映画になっています。
エヴァ・グリーン演じるミス・ペレグリンが特に良かったです。
屋敷の女主人で、パイプをくゆらせ、時間を操り、鳥に変身する。
この能力者は女性しかいないというのと、
全員鳥にしか変身しないという法則はちょっと謎ですが、
原作ではそのあたりの理由も書いてあるのかな。

内容ばれ
奇妙なこどもたちが能力を使うバトルはやっぱり燃えますね。
双子の能力がえげつなすぎた。
(あの子たちが玄関と窓に立っていればいいのではないか)
そして船が浮かび上がったシーンではちょっと泣きそうになりましたね。
この、能力者の若者が一つの館に隠れ住んでいて、その特殊能力で戦い、
海から巨大な乗り物が浮上するこの感じ…X-MENファースト・ジェネレーション!
って思いましたが、脚本が同じ人ですね。

奇妙なこどもたちは皆、ヘアメイクのせいもあるかもだけど、
1943年の子供みたいだった。とくに映写機少年の子は
イラストみたいな顔だった。
そういえばサミュエル・ジャクソンが彼に「仕立て屋を紹介してくれ」って言ってましたが、
キングスマンねたか?って思いました。
というかサミュエル・ジャクソンにはホロウガストが見えないのなんで…?
変身中だけ?

骸骨兵士のところは、監督の趣味炸裂で懐かしい感じがしました。
エンドロールにストップモーションアニメのクルー一覧があったから、
オールCGではないのかな。
遊園地の遊具に乗っていて、ホロウと骸骨バトルの余波を食らった人、
監督御本人だったような…。

おじいちゃんはホロコーストのことを、
子供にも分かり易くホロウガストとして語って、
主人公は探検中に転んで頭を打った時に夢を見て、
それで本当なのか幻覚なのか見る人に委ねる終わり方にするのかな…
って思ったら、がっつりハッピーエンドだった!(スタジオセットの)東京出てきた!(笑)
日本円が出ると思わず現実に戻りますが、万札だったような…?
1958年発行開始の聖徳太子…?

ティム・バートンについて
以前にも書いたかもしれませんが、
昔のティム・バートン作品は登場人物同士が出会っても
意思の疎通がうまくいかなかったり、
あるいは虐げられるのではないかという不安がちょっと描かれたりしたものですが、
最近の作品は全然そうではなく、堂々と会話し、主張し、関係を築きます。
たぶん社会に溶け込めない苦しさのようなものは
監督の中で昇華されたんだろうな…って勝手に思ってます。
もちろん昔がよかった、今は駄目だ!って話ではなく、
どっちのティム・バートンも好きです。
アリスやダーク・シャドウ、ビッグ・アイズはうーん?でしたが
今作はいい感じだなと思ってます。











2017.02.06 サイトに掲載

2018.01.30 再掲載





戻る