「ブリッジ・オブ・スパイ」








スティーヴン・スピルバーグ監督
マット・チャーマンとコーエン兄弟脚本

冷戦時代、ソ連でスパイ容疑をかけられ逮捕された
フランシス・ゲイリー・パワーズを解放するために尽力した
ジェームズ・ドノヴァン弁護士の実話を映画化した作品です。
私はこの事件が知識になかったので、
予告を見て、アメリカ国内で捕えられたスパイ、
ルドルフ・アベルに対して冷戦緊張状態の国民の感情が
スパイ殺すべしの方向に盛り上がる中、陰湿な嫌がらせに負けず
司法の独立を貫くドノヴァン弁護士…という感じの
アメリカ版大津事件みたいな話かなと思っていたら全然違いました。

ゲイリー・パワーズがソ連内で捕縛されるに至る経過と、
東ドイツから西ドイツへ逃亡しようとして捕まった学生のドラマと、
そしてアベルがドノヴァン弁護士に信頼を寄せるようになる流れが描かれます。
ドノヴァン弁護士が交渉のために東ドイツに滞在するシーンがありますが、
記録映像との合成のような、温度や重苦しい空気まで伝わってくる色彩でした。

鉄の意志を持ち、寡黙に仕事を成し遂げるドノヴァン弁護士に、
立場の違いを弁えたうえで、
出来る限りの尊敬と友情を示すアベルの台詞や視線がすごくいいです。
実際のドノヴァン弁護士は、その後も国家間の捕虜交換交渉を
成功させてらっしゃるので、
たぶん物凄い交渉能力の高い人なのだと思う。

ちなみにフランシス・ゲイリー・パワーズはその後40代で亡くなってます。
ドノヴァン弁護士は50代で。ルドルフ・アベルが60代。








2017.01.10 サイトに掲載

2018.01.30 再掲載





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