「ローグ・ワン 
   スター・ウォーズ・ストーリー」









つい最近新作の公開されたスター・ウォーズシリーズの
スピンオフ作品です。

帝国はーとてもー強いー 戦艦はーとてもーでかいー
ダースヴェイダーは黒い! トルーパーは白い!
デス・スターまるいー

の歌で有名な、帝国の超破壊兵器兼移動要塞デス・スター1号機が
シリーズの中でわりと簡単プーにぶっ壊れたのはなぜか?という
モブの頑張りを描いた映画です。
ゆえにラストがどうなるか大体分かっているのですが、
だからこそ燃える!うわぁぁぁぁ!という感じです。
この作品単体でも話は分かりますが、
未見の方は旧作のEP4・5・6(1977〜1983)を見ておくとなおよろしいです。

良かった点(腐寄り・ラストばれ)
ドニー・イェンさん演じる、盲目の僧侶
チアルート・イムウェのキャラクターがよかった。
こういうビッグタイトルの映画に出てくる黄色人種のキャラクターで、
子供が真似したくなるような格好いい演出をされているひとって本当に少ないので、
(大抵完全脇役仕様とか解説役とかコメディ要員とか)とても嬉しかった。
そしてチアルートと、相棒のベイズ。
彼等の遣り取りは、若者のバディが火花を散らすそれとは違って
とても静かなんですが、でも互いの事は全部了承していて、
自分と相容れない部分も尊重している繋がりの強さを感じました。
何か事情のある友人同士とも、
年月を重ねた恋人同士とも解釈できる含みがあって、
腐女子が千人なぎ倒される感じ。こんな絶妙の匙加減、狙っても出来ないよ…。

そして主人公のお父さんのゲイレン・アーソ。
娘と妻を愛する天才科学者です。
マッツ・ミケルセン演じるこのおじさんが、
なんかLUCKの数値が著しく低そうで放っておけない可愛さなのですが、
敵の管理職のオーソンという人から邪まな想いを寄せられています(たぶん)。
じゃなきゃあんな辺境まで直接来ないよ…。
あと妻子に対する憎悪まるだしの態度と、
貴重な人質である夫人を生きたままゲットしようとする意志が
あまり感じられなかったので、そうなのかなって…。
なんか2人は学生時代からの仲という設定で、
もうすでに公式が同人誌を出しているそうですね。話が早いな公式!
(「Catalyst: A Rogue One Novel」洋書)
関係ないけどマッツの最後のポーズがオペラのヒロインみたいで可憐でした。

あと男性向けお色気サービスのまったくない映画なのに、
なぜか男性の触手責めがあって、
しかもその男性の演技が、恐怖とか苦悶じゃなくて
どう見ても快楽のそれで、我々は何を見せられてるんだ…?
とちょっと平静になりました。あのシーン必要?
サービス?サービスを受けているの我々?

真面目な良かったところも書いておきますが、

たぶんシリーズ初の、
味方にフォースを使える人が誰もいないという状況で
ダースベイダーが出てきて、まさに一方的な虐殺が始まって、
フォースがあって当たり前の認識がリセットされたのがよかった。
ベイダー卿が桁外れに強いとはいえ、化学兵器が通じないんだもんなあ。

あと帝国との戦闘で様々な人が命を落としますが、
愛国心とか神のためとか、愛する妻子を守るためとか、そういう理由ではなく、
支配される事への拒絶、個々の抵抗だったところに配慮を感じました。

よかった点というか、この人ピーター・カッシングに似てるなーと思ってたら
CGでびっくりした!あとレイア姫も、キャリー・フィッシャーに見えたけど、
あれは別の女優さん…?それとも頭部すげ替えCG?
(全身別の女優さんではないかというご意見いただきました!)

海岸のラストシーンは美しかったです。
考えてみれば、「デス・スター」を滅ぼす運命の子が、
父親から「私のスターダスト」と呼ばれ慈しまれていたという、
その設定からして美しい。

悪かった点(ラストばれ)

話の立ち上がりが非常に「どっこらせ」という感じで
ゆっくりしている。

父との死別が2回(実父と養父)もあって、
状況も似ているので印象が分散した。
(私はメタファ一切を考慮しない派です)

ジンのキャラクターが(勇敢で有能だけど)薄い。
そして女性キャラクターが少ない…。

帝国側がアホ。
セキュリティも組織も建造物もなにもかも、
アホの、アホによる、アホのための文明。
でもこれは伝統芸で、チャームポイントかもしれない…。

監督はギャレス・エドワーズさん。
2014年「GODZILLA ゴジラ」の人です。










2016.12.19 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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