「聖の青春」









若くして癌で亡くなった将棋棋士、村山聖九段を題材にした映画。
勝つ事への強い執着を隠そうとはせず、時に傍若無人にふるまい、
敗者に対して残酷な言葉を投げ、師にも傲岸不遜な態度を取る村山さんが、
羽生さんを前にするとまるで恋する乙女のようになってしまうという、
その演出で彼の純粋さがよく表現されているのですが、
なんだか甘酸っぱくて、俯いてしまう感じでした。

松山ケンイチさんが随分増量しての大熱演。
20キロ太ったと聞きましたが、元に戻るのでしょうか…。
東出昌大さんの羽生さんもよかった。
リリー・フランキーさんの師匠、柔らかい関西弁が耳に心地いい
この映画の癒しでした。

内容ばれ
おどおどと、はにかみながら羽生さんを飲みに誘うところ、とてもよかった。
他の人にはあれだけクダを巻いて暴言吐いておきながら!(笑)
別人のように上品な飲み方をして、
若干舞いあがって自分の好きな少女漫画の話とかして、
羽生さんに困り顔で分かりませんって言われるの可愛かったです。
ミステリの話をすればよかったのに!
(村山さんは麻耶雄嵩や森博嗣、クリスティやラヴゼイがお好きだったらしい)
あの対局は雪と、イルミネーションが綺麗で、夢の中の風景みたいでした。

村山さんは「3月のライオン」の二海堂くんのモデルだと言われてますね。
そして同じく「3月のライオン」監修の先崎学さんをモデルにした人も出てた。
ツンデレでいい人だった。新車にげろを吐かれても愛想尽かさないのは菩薩。
映画「完全なるチェックメイト」を思い出したのですが、
(完全なるチェックメイトねたばれ)
あちらは体が健康でも終盤には精神がやられてしまってましたが、
才能には容器である体と、そのOSである精神がどうしても必要で、
そして往々にして天才と呼ばれる人種は、両者を健全に保つのが難しい場合が多く、
誰かが手足となって管理してあげないといけないのですが、
その相手というのも天才本人が微妙に尊敬している相手でないと
言うこと聞きやしない…というなんともメンテナンスの難しい存在です。

考えてみれば羽生さんのあの才能の凄まじさにまったく比例しない
まっとうな健全さ(酒や博打や色や暴力等に走らない強さ)ってすごいなあと思います。
本人の資質ももちろんあるでしょうけど、
周囲の人が心をこめて育てました!って感じ。箱入り娘てきな…。











2016.11.20 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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