「ライト/オフ」








今年はホラーの当たり年で、どれもレベルが高いです。
この映画はジェームズ・ワン監督作品じゃなく彼は製作なんですが、
不思議と彼のテイスト。

ホラー映画は、「モンスター的なものが一日中どこにでも出る。つよい。弱点なし」
とかだと「じゃあもういいよ!さあ殺せ!(大の字)」ってなって、
むしろ逆に怖くないので、
うまくやれば逃げられそうなギリギリのルールの設定が面白さの大半を決定する、
と言っても過言ではないですが、
この映画はそのへん上手くやったと思う。
あとキャラクターがとても良い。
といっても、何度も書いているように
出来のいい映画と出来のいいホラーは違うので、
苦手な人が見るものではないです。

残業をしている女性が、倉庫で、
暗がりの中に立っている女の姿に気付く。
女は照明をつけるといなくなり、
しかし明かりが消えると再びそこに立っているのが見えるのだった…。
というあらすじです。

元になったショートムービー(怖がりさんは夜トイレ行けなくなるので注意)
https://www.youtube.com/watch?v=FUQhNGEu2KA

内容ばれ

この映画、何を書いたらねたばれになるんだろう…よく分からない。
とりあえず、登場時にチャラ男かと思わせる主人公の彼氏くん、
たぶん演出なんでしょうけど、どんどんいいやつ加点されていって、
最後のほう、
「アー!彼氏くん頑張れ!彼氏くん頑張れ!だめか!?よし!いいぞ!」
って彼氏くんの応援に夢中でした。あそこの光のとんち合戦、良かった。

それで私はお化け屋敷めぐりのやりすぎで、
映画では本気で怖いって思う事はあまりなくて、
この映画でも「ダイアナの造形は改良の余地ありだなー
もうちょっと人間っぽいほうが怖いよきっと」とか思ってたんですが、
心を病んだお母さんが、
本気で怯えてる子供とおばけを仲良くさせようとするシーンには
別種の恐怖を感じました…。
なんかこうDV男と再婚した母親が半分洗脳された状態で子供の味方になってくれない的な…。

それで冷静になって考えると、これ百合ホラーじゃ…?って気がしてきました。
ダイアナは親友が大好きで、彼女の夫を2人殺してる(たぶん)。
子供も邪魔だけど、手を出したら絶交される…っていう。
ダイアナはサイキックで、人の頭の中に自分の意識を注入できて、
(彼女のお父さんの遺書にそういう文面があった)
お母さんの頭の中に入っちゃってたと考えるのが一番設定に合いそうですね。

設定の都合上、暗い場所のシーンが多いので、
モニタで見ると真っ黒かもしれません。









2016.08.30 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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