「X-MEN:アポカリプス」








X−MENシリーズの6作目で、一応の一区切りということでした。

古代エジプトで絶大な権力を誇ったアポカリプスというミュータントは、
物質を分子のレベルまで分解するという能力を持つミュータントだったが、
その魂を別のミュータントに転移させることにより、
無限にミュータント能力を吸収していた。
しかし反乱分子によってピラミッドの奥で封印され、長い眠りにつていた彼は、
現世に復活し、強力なミュータントを部下にして4騎士とし、
兵器の廃絶、文明の破壊と創造を実行しようとしていた、というあらすじ。

前回のフューチャー・パストで過去作のリセットがあったので、
まあ最低「ファースト・ジェネレーション」だけ見てれば話は分かります。

ラストばれ

良かった点

ファースト・ジェネレーションの時点から、
エリックとチャールズの良い点を受け継いだレイヴンが
X−MENの指導者になるべきって思ってたので、今回叶って嬉しかった。

ピーターのチート能力描写、今回も良かった。選曲も。
(しかし生徒の能力暴走に備えて建物をカスタムアップしてないのか…?って思った)
(まあ見せ場の為には仕方ないんだけど)

終盤のバトル燃えた。特に鉄骨が交差したところ。
ジーンがフェニックスの能力を解放したところも、
リセットした過去を思い出して感慨深かった。
エグゼビアパンチ、「これは私の分!」「これも私の分!」「そして私の分だ!」
って脳内で字幕を入れてました。
「ファースト・ジェネレーション」の教授は人を殴るイメージないんですが、
シンガー監督の教授はマカヴォイさんが若干入ってるのでパンチが似合います。

「I'm not(alone)」の台詞にも、わー!ってなりました。
教授が救済されて良かった!本当に良かった!

「ファースト・ジェネレーション」の映像が思いがけずいっぱい使ってあって、
何度も見たシーンだけど何度見ても嬉しいものです。
なので「ファースト・ジェネレーション」が大好きな人の作った
贅沢なIF同人誌という印象でした。今回の完結編。
ただし、エリックとチャールズのキャラクター解釈が私とは合わなかった…。
そこのところは残念です。
私はどうやら「ファースト・ジェネレーション」モンペのようです。

disなので、この映画が好きな人は読まない方がいいです

エリックのエピソードについて言いたい。
私は強いキャラクターの怒りのチャッカマンの為の妻子の死にはもう飽き飽きしているし、
なにより「ファースト・ジェネレーション」ですでに彼の母が死んでいる。
母も妻も娘も彼のせいで死ぬとか、家族の女が死にすぎだし除霊が必要だとしか思えない。
妻子の死は原作準拠だとしても。

あと、前作でのテロ行為は間違いなくエリックの意志だし、
その後人間のルールに則って刑罰を受けなかったのも彼の意志だし、
逃亡中の身で妻子を持ったのも彼の意志だけど、
妻子の死は過失によるものだ。
それでも実行犯だけでなく他の皆も皆殺し!?

同じく密告者に復讐したい気持ちは分からなくもないけど、
密告者以外の無関係の人間も、閉じ込めて皆殺しにしようとしたの…?
「キャリー」かよ?

ついでに全部言っちゃうけど、自分の妻と子を殺すのは死に値する罪だけど
自分が妻子を捨てるのはいいの?
百歩譲って子が生まれたのを知らなかったと補完してもいいけど、
最低限のマナーとしてするべきことがあるよね…?

それと、よそ見をした状態で放った矢が命中して
妻と娘が串刺しってあまりにも酷過ぎて(脚本が酷いって話です)
ソードマスターヤマトの、尺の都合で四天王一気に串刺しが思い出されて苦しかった…。
なんという弓の名手か。

どうかもうちょっと考えて、エリックの為のもっといいエピソードが欲しかった。
これではIQどうのというより、責任能力のないひとみたいだ。あんまりだ。

それでハッピーエンドです!って言われても、
エリックに殺された人たちの家族の気持ちは!?って思う。
いや、実際今回の件でもっともっと死んだだろうし。
とりあえずなごやかに学園を再建している場合ではなく、
エリックの処遇を決定し、
非ミュータントの人々との折衝を長期間行わなくてはならないのでは…と思う。
(ラスト字幕と吹き替えでニュアンスが違ったらしいけど)










2016.08.14 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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