「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」 全体的にねたばれ、全体的にdis。 御存知講談社の大ヒット漫画を実写映画化した前後篇の、後ろ半分です。 映画評論サイトさんで 「この映画は内容のひどさもさることながら、 1本で纏められるものを2本に分けて収益を上げるという悪辣な商法をとっているので、 今後のためにも興行成績を少しでも減らしたい。なので見に行かないでください」 と書いてあるのを見て、私は納得して見に行きませんでした。 前篇が本当に酷かったのと、スタッフの言動に好感が持てなかったという理由もあります。 上映時間1時間30分ほどです。 エレン裁判があって、髭リンゴとエレンが会話して、爆弾を取りに行って、 巨人と巨人の殴り合いがあって、爆弾で壁を修復しようとしたら邪魔が入って、 なんかしらんけど排除して、うまくいったよ、やったね!という内容。 良かった点 ・巨人と巨人の殴り合いの特殊効果 ・衣装 ・草なぎさんのサイコパス演技(登場一瞬) ・ハンジさん 前篇は理解できない行動をとる登場人物がずっとgdgdしているのを 見せられるつらさでしたが、 後半はスカスカなのに短いというつらさ。どっちもつらい。 その中でも光っていたのが髭リンゴ男で、 なんか謎の白い部屋で突然ポエムを呟きながら現れて シャンパンを飲みだしたりするのでふきだしてしまいました。 シャンパン=カッコイイ! 女にキスして暴力を振るう=カッコイイ! という全体に漂う圧倒的昭和感…。 あ、エレン裁判で、エレンがなぜか滑り台に縛り付けられているのも、 小学校のいじめみたいで地味に笑いました。 予想通り(大抵の人は前篇の途中で予想できたでしょうけど) 髭リンゴも巨人でした。 エンドロール後に1シーンあります。(ないほうがいい気もする) 髭リンゴポエムですが、 「The end of the world」の歌詞なのは分かってるし、 村上春樹の小説にリンクさせてるのは知ってますが、それでもアカンやろ…。 何度も書いてますが私は作品の暗喩一切スルー派で、 一度肯定派の誰かに聞いてみたいんですが、 暗喩とかオマージュとか、この映画みたいにそれまでの流れをぶった切って 客をポカーンとさせてまで、 あるいはキャラクターを素っ頓狂なやつに落としてまでしないといけない事なのでしょうか? 「実はこういう意味です!」 「あの名作のこのシーンにヒントを得ました!」ってやっても、 肝心の物語に重度の損傷を与えたら本末転倒のように私は思います。 批判に対するカウンターの役割もあるんでしょうけど、 その手の作家には「客がお金を出して買った尺で言い訳をするな」と言いたい。 内容ばれ 町山さんはエンタメの、観客の心をぐいぐい掴むキャラクターを作るのが 苦手でいらっしゃるのかもしれない。 (なのでリアル人間路線ならお得意という可能性はある) 髭リンゴがエレンの兄で、巨人で、 全滅したとされていた調査隊を率いていたという大筋はよかった。 彼が「壁を破壊して愚かでブタな民衆を目覚めさせる!」というような 短絡バカではなく、 もっと魅力的なエピソードと会話があれば、あるいは名作だったかも。 そうえいば髭リンゴの「食べ物を粗末にするな!」というセリフはよかった。 意外性があって。 2016.06.17 サイトに掲載 2016.12.30 再掲載 戻る |