「殿、利息でござる」 江戸時代、あまりぱっとしない宿場町、吉岡は、 公用の荷を隣の宿場町へ運搬する費用を負担する伝馬役という、 藩から課せられた義務に苦しんでいた。 生活に行き詰まって夜逃げする者も徐々に増え、 このままでは町が廃れてしまうと案じた穀田屋は、 菅原屋に知恵を借り、千両の金を貯めて 伊達家に貸し付け、その利子を伝馬役の費用に充てる、 という計画を立てて仲間を募る、というあらすじ。 人情もの+時代劇がお好きな人におすすめ。 ご年配のかたとも安心して一緒に見られます。 阿部サダヲさんは安定のコミカルな演技だし、 泣かせるところはきっちりと泣かせてくるし、 伊達家の会計を司る松田龍平は 主人公たちにとってはいわば敵役なのですが、 いつもの味のある演技で全然憎めません。 瑛太さん、妻夫木聡さん、西村雅彦さん 寺脇康文さん、きたろうさん、と他キャストも手堅いメンバー。 内容ばれ 無私、謙虚、黙っていても伝わる家族の絆、と 滅びの一途をたどる日本人の好きなパターンがみっしり詰まっていて、 来るぞ来るぞと分かっていても泣かされます。 特に阿部サダヲさんとその父のエピソード。 でも外国の方が見たらたぶんすごい謎な話だと思う。 多数のために貢献すればするほど謙虚に振舞わなければならない というのはまあ分かるとして、 道の端を歩かなければならないとか、 上座に座ってはいけない下座に座るべしとか、 あのあたりは、日本人の私でも普通でいいのでは?と思う。 まあ実話なので、当時のフィーリングなのだろう。 伊達の殿様がフィギュアスケートの羽生さんに似た人だな、 でもそんな訳ないから誰だろう?って思ってたら 本当に羽生さん映画デビューでした。びっくりしますね。 2016.05.17 サイトに掲載 2016.12.30 再掲載 戻る |