「シビル・ウォー 
      キャプテン・アメリカ」










前回の「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」で
トニー・スタークの作りだした機械生命体ウルトロンが
ソコヴィアに深刻なダメージを与え、
かねてよりアベンジャーズの国境を越えた活動を
危惧する声は大きかったが、それをきっかけに政府から、
国連の下部組織となるよう圧力がかかる。
アベンジャーズ内部は協定に賛同するものと反対するものに分かれて
議論が起きるが、そんな折、キャプテン・アメリカの親友で、
過去に洗脳を受けテロリストとして指名手配されていた人物が
姿を現す……というあらすじ。

アクションが最高です。MCUシリーズでも1、2の出来です。
前作「ウィンター・ソルジャー」で培われたノウハウに
ありとあらゆるアイディアがプラスされてとんでもないクオリティに。
いいアクションコーディネイターさんが付いているのと、
それに加えて短いショットをマシンガンのように繋いで、
カメラの角度や対象物の位置がどんどん変わるのに
ロングショットを適度なバランスで入れてある撮影と編集センスの合わせ技で、
分かりやすくかつ迫力あるアクションシーンには定評がありました。
今回は各人の能力を組み合わせて協力プレイをしたり、
相手の弱点を自分の特性でうまく突いたりと、組立てがチェスのようでした。

映画の出来としてはMCU内で4番目くらい…。(個人の意見です)
ちなみにMCUで私がNO1だと思うのは「ウィンター・ソルジャー」で、
監督は今回と同じくルッソ兄弟です。
兄弟はアベンジャーズ3の監督に決定しています。

キャラクターを敵対させる作品でありがちなのは、
便秘なの?と聞きたくなるくらい登場人物をヒステリックにしたり、
あるいは合理的な回避策をとらせないために知能を下げる方法ですが、
この作品は人物の性格はそのままで、
彼等がどうしてもそうしなければならなかった理由についても
よく煮詰めてあって、理解できるようになっていました。

全体的な雑感

そもそも私は、インタビューで、ものすごい泣くから!って
役者さんが言ってたのと、あと原作があれであれなので、
たぶんどっちか死ぬだろうって観念してて、
詳細に言うと、追い詰められたキャップとバッキーが
手を繋いで、覚悟の上で高い所から身を投げて、
そしてキャップだけが助かるんだろうな…って何故か確信してました。
あと原作無印シビルウォーにはバッキーの出番はないので、
かつ決定していたキャストの数もめっちゃ多かったので、
ちょっと2人の友情の決着に関しては半分諦めていました。
そして原作のアイアンマンとキャップ、双方のエゴのぶつかり合いと卑怯っぷりが
ものすごいので、覚悟もしてました。
でも、何ていうか、ちゃんと人柄そのままに苦悩しながら対立して、
社長のコンプレックスとキャップへの捻じれた執着、不器用な思いやり、
キャップの非人間的な部分と私人としてのスティーヴの違い、
世界と親友のどちらかを選ぶ感情の揺れを描いてくれてました。
その上で、たぶん会社からの指示により登場させたあの人数のキャラクターをさばいて
アクションにつぐアクションを盛り込んでくれたのだから、監督には感謝しかないです。
「アベンジャーズ1」でも神業だと思いましたが、あれの更に高難易度があるなんて。
(私はウェドン監督も大好きです)
(エイジ・オブ・ウルトロンが最高だとは思わないけど、あれは課されたタスクが多すぎた)
(次回の伏線を幾つか張れとか既存フラグを折って違う人間とくっつけろとかで尺をとられるのはよくない)
(面白さって、飼育の難しい繊細な生き物みたいなものですぐに死ぬって理解して上の人)
興行的に大勝利を収めそうで、感謝&感謝。素晴らしい作品が売れなくて打ち切られるのは悲しい。


ねたばれ箇条書き。というか自分用メモ?実況?(気持ち悪い・長い)

・あのレトロな車が夜道を走るシーンで、大体大筋が分かって覚悟した。
・「熱望」「錆つき」「17」「夜明け」「灼熱」「9」「温情」「帰郷」「1」「貨物車両」
 貨物車両って単数なのは意味があるのかな?もう一度字幕を見て英単語で確認します。
 貨物車両と帰郷ってバッキーの記憶に合わせてるのかと思ったら、
 帰郷はhomecomingでスパイダーマンの次回作にかけてあるのですね。
・連携戦闘が見応えあった!yes!ってなりました。
 ワンダさんが万能で、キャップ(たぶん強化人間なので重い…)を飛ばしたり、
 敵を浮かしてサムが轢いたり、ガスを除去したり(物理法則的にどうなんだろう?)、
 RPGならずっとチームに入れておかれるタイプ。
・出たー!ナタ姐のダブルヘッドシザーズ・ホイップ(キン肉マンっぽく)
・ラゴスでも強い子のミロは人気らしい。
・サムの進化がやばい。ウィングがかなり強化されたみたいで、
 翼が盾状になって銃弾を弾いていた。軽くて硬いあの素材は何だろう。
 ドローンにレッド・ウィングって名前付けちゃって、可愛がってるのがおちゃめさん。
・仮にも知り合いだったラムロウに対するキャップのあの関心のなさ、
 もぎ取った右手の装備を投げ捨てる無慈悲な顔とか震えます。
・「お前の親友、お前の相棒、お前のバッキー」
 「めそめそしてた」っていう、キャプアメ沼を震撼させたラムロウさんの煽り、
 入院期間が心底退屈で、ネットで二次創作を読みふけって推敲したんだろうなって思いました。
・初見さんへの、トニーの両親に関する説明が今回もスマートでした。
 研究開発費611,000,000ドルってCAシリーズ製作費総計とかかな…。
・なぜアメコミ原作映画の殺される母親はみな真珠のネックレスをしているのか。
・原作では死んだ男の子はダミアンでしたが、映画ではチャーリー・スペンサー。
 原作みたいにツバを顔に吐かれてたら、ショック死しそうだな、MCUのトニーは。
・ワンダさんのお部屋、なんか普通で可愛い。あの男の子の写真はピエトロなんですかね?
 髪の色が違う?と思ってたんですが、染めてたのかな。
・キャップが「全員を救えるわけじゃない」って言ったのは
 やや「エイジ・オブ・ウルトロン」と矛盾すると思います。
・37t級の核弾頭のくだりは、吹き替えでやっと意味が分かった。私があほなのかもですが。
 吹き替えのテキストを字幕表示はできないものか。字数制限か。そうか。
・強いヒーローが現れるのに比例して、敵が強くなり数も増えるっていう
 ヴィジョンの説おもしろい。論文を書こうヴィジョン。
・議論シーン、誰の言っている事も一理ある。キャップが色々ありすぎて
 組織が地雷になってるのも分かる。地雷の押し付けはよくない。
 この時点で円満離婚していれば…。
 たぶん国連がよっこらしょと重い腰を上げてアベンジャーズ出動要請するまでに
 キャップチームが全部終えてただろう。結末は同じだろうけど、トニーが傷つかずに済んだ。
・葬儀で語られたペギーの言葉、忘れてたけど原作で出てきたキャップのセリフなんですね。
 ネットで見かけて、あっそうかと思いました。
・サムも葬儀に付いてきてくれるし、ナタ姐も駆けつけてくれる。
 キャップは色々辛いことの多い人生だけど、とりあえず人間運だけはパーフェクトですね。
 このシーンの実のお姉さんみたいなナタ姐の態度好きです。
 この映画の微妙なバランスでどっちの陣営も助けつつゆるぎないナタ姐のキャラクター、実にいい。
・ワカンダの死者はバーストとセクメトに導かれて緑の地に行くって言ってたけど、
 バステトとセクメトだな。ワカンダってエジプト神が信仰されてるのかな?
・ブカレストで潜伏中のバッキー、中の人の母国語、プラムを買うシーン、
 優しい笑顔でした。というか割と台所用品がこまごまとあって、
 ノートの上にはお菓子とかもあり、食いしん坊バンザイ生活を送っていたのか…?
 いや、かわいい!それもかわいいけど!
・2人の再会のシーン、すぐ戦闘が発生するので短い遣り取りでしたが、
 なぜ川で助けてくれたのかという問いかけ、二次創作で何度も何度も見ました。
 祝!公式化!
 そして強化人間2名による、若干手加減の入った無双スタートですが、
 キャップが自分を助けるために追っ手をぶちのめすたびに、
 「!?」って感じで見てるバッキーがかわいかった。
・初登場のブラック・パンサー殿下、写真を見た段階では「地獄の猫コスプレ男」
 だったのですが、親孝行の王子さまで人格者だったので
 瞬く間に「キャー!殿下ー!」という立ち位置に。
・「ネコが好きなのか」聞いちゃうサムが好き。
・しかし「何世代にもわたってワカンダを守ってきた」ということは
 前国王陛下もあのコスチュームに夜な夜な身を包んで活動なさっていたのか。
 それはそれで見たい。
・ヴィジョン、原作通りワンダさんとカップルになるのかな?
 ウルトロンがなりたくてなれなかった高次元の存在が
 気になる女の子に手料理作ってあげて、失敗してるの面白い。
・石の話の前振りがあった。
・ペッパーを見掛けなくて、「もしかして、おめでた…?」って言っちゃう、
 キャップのあの即座に地雷の上で連続ジャンプしちゃうスタイル、キャップらしいと思う。
 ここの2人の会話、実によかった。「完璧な歯をへし折ってやりたくなる」も
 全部聞いたら悪い言葉じゃなかった。「無視できたらいいのに」「嘘だろ」「ああそうだな」
 もいい雰囲気だった。サイン寸前だったのに。
・ワンダの軟禁でキャップの態度が激変したのは、
 バッキーが長期間監禁されていたからかなとも思う。
・ジモ氏に操られたバッキーの連続戦闘、対トニー、対シャロン、対ナターシャ
 対殿下、連続で入ります。
・そしてCMで流れていたヘリコプターのシーンですが、最初に見た時、
 即座にヘリの機外吊り下げ最大重量と重量挙げの世界記録を調べた。
 筋力も常人の4〜5倍と考えるとそれほど矛盾してはいなかった。
・ここで落下がありました。1でバッキーが落ち、2でキャップが落ち(バッキーが助け)、
 3では2人で落ちてキャップが助けました。
・家族のメッセージを聞いているジモ氏、
 この時点では「お前、家に帰れよ!」って思いますがあとで意味が分かります。
・アントマンのエンドロール後にあったシーンがここに入ります。
 「今はどっちのバッキーだ」っていうキャップの言葉が優しい。
 暗殺者の方のバッキーも、薄汚い犯罪者とは捉えてないんですね多分。
 「キーワードを言われると抵抗できない」ってまた
 とんでもない設定をぶちこんできましたね公式。
・5人のウィンター・ソルジャーっていう設定もおいしい。
・スパイディの別の愛称って日本で定着してないので
 「階下の人」って何のことなのか瞬時には分かりかねました。
 それにしてもまた思い切ったキャスティングで来ましたねメイおばさん。
 色っぽい!
 下品な事を言いますが、アメリカの男児は今後、
 「俺の性の目覚めは映画のメイおばさんだった…」「わかる…」
 っていう子が多くなるのでは。
・ホークアイがワンダをつれていくところ、手を繋いでて、
 自分の娘みたいな気持ちなのかな?って思いました。
・殿下の女ガードとナタ姐の「どけや」「断る」というやりとり、
 またまた下品な話をしますが、殿下の秘蔵アダルトコーナーには
 キャットファイトものが多くあるような気がしました。
 あそこの殿下、あまりにもいい笑顔すぎる。
・キャップのキスシーンはちょっと唐突に感じられましたが仕方ない、
 1からずっと誰か女子とキスするイベントがあったから、今回消去法でシャロンなんでしょう。
 むしろあそこのメインは、ニコニコしてるバッキーとサムなんだろうなと思います。
 というかなんとなく仲良くなっている2人。
 誰とでもごく自然に仲良くなり、誰のことも気遣えるサム。
 アベンジャーズの中のだれの能力が欲しいって、サムのコミュ力が欲しい切実に。
・スコット「あなたなんかが俺ともあろう人に声をかけてくれるなんて」
 って英語ではどうだったんだろう。キャップが公的な顔になってるのよかったです。
 あの人案外人見知り。
・アベンジャーズ大激突の舞台は当然市街地でなく、避難勧告の済んだ空港。
 この時点でキャップチームはジモ氏の陰謀を掴んで
 5人のウィンターソルジャー復活阻止に動いているのですが、
 トニーチームはソコヴィア協定とバッキー捕縛のために動いており、
 言い逃れととられて信用してもらえずに終わる。
 関係が悪化していなければあるいは信じてもらえたかもですね。
・企画概要をネットで読んだ時は、キャラクターが多すぎて失敗するだろう…
 と思っていましたが、アベンジャーズの誰とも知り合いではなく、
 事情もよく分かってないスパイダーマンとアントマンの参加は
 本当にありがたかったです。彼等がいないと本当に内部抗争で辛すぎた。
 「キャプテン、ファンです。ぼくはスパイダーマン」
 「この腕メタルなの?すごいね」とか和んだ。
・ここからは能力バトルです。ワンダさんは車をぶつけまくり、
 アントマンは例の収縮技術を応用しまくり、
 小さくなってトニーのアーマーの中にもぐりこみ、
 (「あんたの良心だよ!」最高でした)
 飛べるものと飛べるもの、前衛派と前衛派、うまく組み合わせてありました。
 なんといってもアントマンのあれ。原作にもある設定ですが
 映像にするとまぬけだろうから使われないだろうと誰もが思っていたあれを、
 まぬけを逆手にとって映像化!映画が終わった後で真っ先に話題にしている人が多かった。
 この映画の1番の名シーンになるでしょう。
・戦闘中でもちょっといい感じの会話をするナタ姐とホークアイ。
 「あなたが本気出さないから」ってワンダが割って入るの、
 娘がパパの恋人に焼きもち焼くみたいで可愛かったです。
・「まだスゴイ必殺技を隠し持ってる奴はいないか」
 心折れかけてるトニーの気持ち分かる。
・「帝国の逆襲」の会話のところのトニーも面白かった。
 というか全体的にトニーがリアクション芸人化してたな。
・倒れているスパイディーを見るシリアスな顔、RDJの演技上手かったですね。
 というかトニーもキャップも未成年者をスカウトするのはどうよと思う。
・倒れているワンダさんと、良好な関係にはもう戻れないことに動揺するヴィジョン、
 そして攻撃を要請するローズ、この絶妙な匙加減とタイミング。 
 でも車と同じで、人間の失神とOSダウンに備えてパラシュート的な装備は必要だと思うんだよ。
・殺された本物の精神科医は監督だったそうです。
 監督の映像は何度も見てるのに気付かなかった悲しい。
 ジモ氏、滞在中はシャワーどうしてたんだろう。
・ウィンター・ソルジャーの犯した殺人についての
 キャップとバッキーの会話も二次創作で何百回も(略)公式化!
・ここでトニーが精神科医の陰謀に気付きますが今度はロス長官に信じてもらえない。
・監獄のシーン、ホークアイの唄は英語だと「ロウ、ロウ、ロウ」
 吹き替えは「ホウ、ホウ、ホウ」法律にこだわるトニーへの皮肉ですが
 上手いこと言いおったな感!
 彼が異様にトニーを敵視するのは、ピエトロが死んだ原因の何割かが
 トニーにあると考えているからかな……?と思いました。
・多くの腐女子が気絶した、スティーヴとバッキーの昔話。
 バッキーが忘れてしまった彼女の名前を覚えているスティーヴとか、
 彼女の名前は忘れているくせにスティーヴがどうしたこうしたと細かく覚えているバッキーとか。
 公式が殺しにかかってきた!
・追ってきたトニーとの和解。
・キャップを間近に見て、
 「お前の目は綺麗な青だと思い込んでいたが実物はくすんでいた(吹き替え)」
 (字幕は「緑が混ざっていた」)
 と言うジモ氏。
 それは要するにエイジ・オブ・ウルトロンでキャップがムニョムニョを持ち上げられなかった事、
 ひいてはキャップが本作で正義よりも秩序よりも親友を選んだことを言っているのかな?
 って思いました。
 緑って、エルファバやロキやもちろんハルク、嫉妬の色、とあまり良いニュアンスではないんですよね。
 クリス・エヴァンスさんの写真をじっと眺めても緑が混じっているようには、私には見えないし。
・そしてあの映像。
 監督がこの映画を撮るにあたって念頭に置いていた映画で「セブン」の名が挙がってましたが
 まさかまさかそう来るとは。どうしてこんな酷いことを思いつけたんだろう。好きだ。
・ハワード、自主的に血清を作ったんだろうか。違ってほしいけど、もしそうなら嫌だ。
 キャップみたいな人を増やしてどうするつもりだったんだろう。
 依頼で作ったのなら、依頼機関があほだと思う。開発者に運搬させるとか。しかも夜に。
 アースキン博士が白昼堂々、多数の目の前でどうなったか知らない筈ないだろうに。
 あとハワード、専攻はなんなの?
 (スターク社の研究チームで開発したならその後いくらでも量産しただろう。なので違う) 
・「バーンズ軍曹」ってよく分かりましたね。
・サムの親友ライリーの死は大丈夫だよなって思った。
・「エイジ・オブ・ウルトロン」で秘密を持つことをあんなにも嫌い、
 今作でもペギーが姪の任務を知りつつ自分には隠してたんだろうかと気にしていた人が
 なぜトニーに言っておかなかったんだろう。
 この映画でただ1つ、キャップが間違ったのはそこだと私は思う。
 そしてジモ氏はどうしてトニーにその事実が伝えられてないと確信してたんだろう。
 見るからに会話が足らなそうだからか?わーんその通りだよ悪かったな。
・そこからはあの辛い戦闘のスタートです。辛い…。
 バッキーは、もっと機敏に動けるスペックの人なのに
 キャップの指示を受けて動くために数秒行動が遅れるのが何度もあったのって
 どうしていいか分からなかったんだと思う。
・「覚えてもいないのか」「一人残らず覚えてる」
 「過去は変えられない」「知った事か 母の仇だ」
 辛い。でもキャップはトニーを殺すつもりは全篇を通じてなかったという解釈です。私は。
・あれだけ登場人物が出てきて話が崩壊しなかったのは、
 父親を殺された人が3人出てきて(ジモ氏は妻と子と父)、
 復讐の連鎖と昇華っていうラインが1本通ってたからだと思う。それでも危うかったけど。
・「盾は置いていけ。父が作った盾だ。お前にはふさわしくない」
 って別に盾に執着してのセリフじゃないと思う。
 トニーが本当に言いたかったのは別の言葉だと思う。
・だのにキャップはまったく躊躇せず盾を置いた。
 契約も保証もない人体実験に参加して、
 自分の命も人生も全部捨てて貫いた正義の象徴の盾。
 私はルッソ兄弟の描く、清廉潔白だけどちょっと理解不能な部分のあるキャップが好きなんですが、
 18のときから1人で、軍隊にも居場所がないと感じていた、
 物事や人への執着が薄く、面と向かってdisられても反論せず、防御本能が希薄で、
 それでいて求心力は異様に高い彼。 
 下手するとウィンター・ソルジャーとは単にベクトルが逆なだけの正義人形だった彼が、
 盾を捨てて、和を乱し、世界を敵に回してもいいって思える対象があって本当に良かったと思う。
・最後のバッキーの選択、たぶん長い話し合いがあったんだろうけど、
 もう聴覚を失ってもいいじゃない、キャップの側にいてあげて!って思いました。
 きっとバッキーは自分の意志を曲げずに、結局キャップはそれを尊重したんでしょう。
 でもなるべく早く起こしてあげてね…。
・考えてみれば何の特殊能力ももたない普通の人間のヴィランが「経験と忍耐力」で
 目的を遂げ、アベンジャーズは敗北し、分裂したままで終わるというのは
 MCUでも初めての作品だし、ヒーロー映画でも前代未聞だ。


新作を1本見るだけでどんどん好きなキャラクターと好きな俳優さんが増えて、
怒ったり笑ったり二次創作したりできるMCUは、娯楽としてもコスパが高いし、
軽く宗教と言ってもいいくらい、でかいコンテンツのように思います。
以上長い感想終わり。









2016.05.02 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





戻る