「バットマン vs スーパーマン
ジャスティスの誕生」









「マン・オブ・スティール」続編です。
前作で同郷人と地球でドンパチやったスーパーマンさんは
大都会のビルを次々ぶっ壊し、多くの犠牲者を出しました。
破壊されたビルの中には
バットマンさんの正体であるブルース・ウェインさん所有の社屋も含まれ、
ブルースさんは社員を亡くし、密かに怒っていました。
そして神の如き圧倒的な力を持つスーパーマンさんに対して、
抑止力となるべく対抗手段を講じ始める、というあらすじです。

マーベルとアメコミ界を二分する会社DCが、
「MCUとかああいうおいしい商売を、わしらもやったろやんけ」
と言ったかどうかは知りませんが所属するキャラクター達を使って
壮大なヒーロー集結の物語を開始しました。

内容ばれ

コミックの1コマ1コマが、動き始めたような美麗な映像はさすがの仕事でした。
スーパーマンとバットマンの苦悩、その対比、戦闘スタイルの差別化も上手かった。
相容れなさそうな2人の正義を、母親で繋げたところも。

ただルーサーが便利に使われすぎて、
何をやりたいのか分からん一貫性のない悪役になってしまっていた気がする。
狂気にしても都合よすぎるというか。
わざわざウェイン社の従業員をテロリストにして、
議員を爆殺までして手に入れたクリプトナイトをバットマンにパチられたり、
面倒くさいお膳立てをしてバットマンとスーパーマンの対立を煽っておきながら
詰めが甘く簡単に共闘されてドゥームズデイを投入してみたり。
(ジェシー・アイゼンバーグさんは文句なく怪演でしたけど)
スーパーマンに濡れ衣を着せて、世論を煽って、クリプトナイトを入手、
母を人質にして自分でスーパーマンを成敗して、
来るべき異星人来襲に備えたちきゅうぼうえいぐんを自分で結成したらいいのでは…?
続編に期待?

あと暗喩(冒頭のコウモリ浮遊)と
夢と幻覚(ウェイン家の墓からデビルが飛び出てきたり、ケント父とお喋りしたり)と
幻視(ジャスティスリーグの前振りで未来のフラッシュさんが警告しに来たり)
を多用しすぎて、話の流れを阻害しつつ初見殺しもキメちゃってる部分あった。

ザック・スナイダーは好きな監督で日本公開作品は全部見てるけど、
あんまりノーランを意識しすぎず、幻覚に頼りすぎずに作品を作ってほしいです。
あとマーベル映画をdisって自作品を上げるとか、
去年やったみたいなキナ臭いパフォーマンスもできれば控えてほしい…。

箇条書き

・ワンダーウーマンさん登場シーンは形相といい、音楽といい、
 「絶対ぶっ殺す!」感にあふれていて、大変素晴らしかったです。
 ワンダーウーマンさんの単独映画楽しみ!
・この映画のアルフレッドは、すごい実力隠してる雰囲気が滲み出てる。
 なんか軍隊に匹敵するどうのこうので、変な通り名がありそう。
・ゾッド将軍は、いかにもシリコン製だなって思ったんですが、
 エンドロールに名前があったからあれ御本人…?
 (追記:死体メイキング動画がありました)
・まさか洗面台で殴られるスーパーマンを見る日が来ようとは。
・死者の日、俄かに流行の兆し。
・半裸になってタイヤで鍛錬なさるブルース坊ちゃん、
 深夜のお色気番組みたいで、ちょっとその脈絡のなさに笑ってしまった。
・ロイスがスーパーマンの弱点の槍を水底に投げ捨てて、
 いややっぱりあれ要るわ!って水の中に飛び込んで、
 あーん溺れちゃったーの流れ、心底何とかしろって思いました。










2016.03.29 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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