「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」








ビル・コンドン監督

93歳となったホームズは探偵業から引退し、
辺境で養蜂を楽しみながら生活していた。
彼は自分が引退するきっかけとなった最後の事件、
大きな失敗をしたという記憶だけがあり、詳細を思い出せない依頼を
記述しようと試みていた。
言葉も名前もすぐに忘れてしまうような状態で、
家政婦の息子の応援を励みに彼は執筆を続ける、というあらすじ。

パスティーシュとしては面白い切り口。
推理要素は殆どなく、どちらかと言うと「老い」がテーマです。
ホームズさん宅のお庭がシンプルだけど美しい。
あとイアン・マッケランさん演じる現役時代のホームズの、
ステッキを持って街を闊歩する姿が颯爽としていて格好いいです。
さすが!という感じ。
日本パートがあります。真田広之さんが出ている。
でもこれ日本じゃなくても別によかったような…。

内容ばれ

私はゆるいホームズファンなので、おじいちゃんかわいい…っていう感想なのですが、
わりとしっかりしたシャーロキアンからするとNGじゃないのかこれ…という気はします。
何故かというと原作のホームズがいくら老いて気が弱ったとしても
ああいうセンシティブな人柄にはならないんじゃないのかなっていうのと、
あとあの事件で責任を感じて引退するようなら他にいくらでも引退するきっかけが
あったのではないか?という理由からです。
(何でも許せる人向け…というタグが脳裏をよぎりました)

でも薬物中毒で到底健康に気を使っているとは言えなかったホームズよりも
ワトソンやマイクロフトが先に亡くなって取り残されるという設定は大変切ないし、
回想の中に出てくるワトソン先生がひたすらホームズに甘く優しかったので、
そのこらへん素敵だなと思いました。

アルモニカって実在するのですね。動画サイトで演奏を聴けた。
あと私は山椒の実を常に冷凍保存して色々なものに投入するくらい好きですが、
(あと唐辛子と生姜と大蒜と山葵も好き)
記憶力の低下には特に効能はないですよ!!保障します!!









2016.03.24 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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