「ヘイトフル・エイト」








クエンティン・タランティーノ監督

賞金首の女犯罪者を生け捕りにして護送中の賞金稼ぎは、
同じ賞金稼ぎの黒人が雪で立ち往生しているのに出くわして、
馬車に乗せてやる事にする。
同じく雪で動けなくなっていた新人保安官を乗せ、
ミニーの服飾店という山荘に到着するが、
店主は留守で代理の者が出迎える。
やがて吹雪になり、賞金稼ぎ達や
山荘にいた先客たちは
山荘から動けなくなる。
そして賞金稼ぎは、女犯罪者の仲間が
彼女を取り返そうと、8人の中に紛れているのではないかと考える。
というあらすじ。

宣伝でミステリーを強調されていますが、密室推理劇ではない。
判断の根拠を説明するシーンがあって、その部分がちょっとサスペンス。
あとはいつものキレキレ会話劇と、
ビッシャー!ブッシャー!ドババー!っていう流血です。
今回特に「そんなには出ねぇよいくらなんでも!(笑)」
っていうくらいの血。

今回は「イングロリアス・バスターズ」みたいな絶対悪や、
「ジャンゴ」みたいな復讐要因は存在せず、
ヘイトフルの名に相応しい仁義なき8人、
人でなし達の、嘘と暴力と主義と憎しみと執着が交錯する
血みどろで煌びやかなショーです。
(ただ、話の根っこに南北戦争がある)
男女平等パンチで、女もバンバン顔面を殴られるし
もちろん男も酷い目に遭うし、死ぬし、
勧善懲悪では全然ないので人を選びます。

ねたばれ

冒頭で名前の出た某氏、全員集合しても姿を見せないので
「あー、真の保安官で、出てきて即、額の真ん中撃たれて
出オチ死したりするのかな?」と思っていましたが、
まさかああいう役割とは…。
というか、冒頭のクレジットは伏線だったのかな…。

前半かなりスロースタートで、心理戦が始まるまでがやや眠い。
30分切って2時間半にしたほうが良かったのではないかという気もする。

保安官の人、「エージェント・ウルトラ」に出てた
薬漬けの暗殺者のひとだ!











2016.03.01 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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