「スティーブ・ジョブズ」








ダニー・ボイル 監督

ジョブズの人生における3度の重要なイベント、
その直前の慌ただしいリハや打合せの間に
彼を訪ねてくる親しい人々、その人たちとの会話を通して
彼の人生の変遷や変化を表現する映画。
会話を中心に進む舞台劇のようでした。

スティーブ・ジョブズの人柄や業績、人間関係については
知っている事が前提となっているので
詳しくない人は2013年の「スティーブ・ジョブズ」を見ておいた方がいいかも。
緊張感のある会話劇として楽しむ事も出来るけど、
登場人物がジョブズに対してどういう立ち位置なのか知ってた方が
何倍も面白いので。
2013年の「スティーブ・ジョブズ」は
歴史を追うことで一杯一杯だった映画なので、
これと足して割ると丁度いいと思う。

スティーブ・ジョブズ役は マイケル・ファスベンダー。
地声よりもやや高い声で、歯を剥きだす演技もちょっと控えて、
ろくろこそ回していなかったものの細やかな手先の演技で
物真似ではなく2人の人間が融合したような魅力的なジョブズを作りだしていました。
ファスベンダーさんと言えば黙って立っていても被害者に見える
物悲しそうな声と表情をしているひとなのですが、
ジョブズのクズエピソードとファスの被害者オーラが力比べをした結果、
(脚本の後押しもあり)ファスがやや押し勝ちました。
いやでもまさか、本人が「認知しない!」って頑張っていた
実の娘の話が中心に据えられるとは思わなかったです。

内容ばれ

過去何があったかという事はほとんど描かれないので
ウォズニアックさんの天才エピソードがほとんどなくて、
予備知識のない人には謎の謝辞謝辞おじさんだったのではなかろうか…。
スティーブ・ウォズニアック役はセス・ローゲン。
セス・ローゲンに別れを切り出されて涙をこぼすファスベンダーさんのシーンが、
絶 対 あ る に 違 い な い !って思ってたのになかった…。
残念です。
「2進法とは違う。才能と人格は共存する」
っていうセリフは良かったですね。
でもウォズニアックさんには奇跡的に両者が共存しているだけで、
残念ながら通常それらは両立しないですよと私は思います。

同じIT業界の成功者マーク・ザッカーバーグを題材にした
「ソーシャル・ネットワーク」と脚本家は同じアーロン・ソーキン。
(あちらの監督はデヴィッド・フィンチャーだけど)
物語の起承転結は、この映画の方がかなり薄い目。
何となくですが、フィンチャー監督の芸風のほうが
IT業界という題材に合っている気がする。冷たくて早い感じ。

電子音楽とクラシック音楽が混在していましたが、
ジョブズの心情に合わせてパート分けしてあったのかな?と後で思いました。









2016.02.24 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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