「オデッセイ」








アンディ・ウィアー「火星の人」映画化。
火星滞在中の事故で死亡したと誤認された宇宙飛行士が、
1人火星に取り残され、専門の植物学の知識でサバイバルをするという
ドキュメンタリー風の内容ですが、
主人公がスーパーポジティブで、悲壮感があまりなく、
登場人物ほぼすべて賢い人のため、展開が早いです。

原作のジョークや下品ネタは残念ながら大半カット。
オタク設定もカット、ミッションもかなり省略されてましたが、
まあこれは時間の都合上仕方がないでしょう。
その代り文章では形状がよく分からなかったハブや、
RTG、パスファインダー、改造ローバー、MAV等々が
どんな形なのか見られたのは嬉しかったです。
あとワトニーを妻子持ちに変えたお涙頂戴が捻じ込まれなかったのも嬉しい。
(その方が幅広い層に受けるのは確実だから……)
(映画のワトニーは異性愛者かどうかも分からない仕様)

内容ばれ

残念な変更点は下記3つ。

・ヘルメス内部での、火星に戻る戻らないの採決の方法。
 エモーショナル重視なのは分かるけど、
 誰が反対したか開示されない投票方法を採ったところに船長の資質を、
 それでも全員一致したってところに彼等の心意気を感じたのでちょっと残念。
 (訂正:これ採決ではなく、反対意見を募る方法でした)
・ワトニーの最後のモノローグカット。
 原作を読んでいた時にビャービャー泣いたので。
・おっぱい……。

でもハードな状況なのに明るい映画の雰囲気を更に明るくしてくれるうえに、
妙に状況にあっているディスコミュージック最高でした。

それと火星での生活を終える頃のワトニーが、
痩せ衰え、皮膚も全身酷い状態になっていたのは、
原作では全然描写されてなかったので、
そうか意識しないようにしてたんだな…って考えたら
一周回ってブワワってなった。

原作と映画どっちも見てなくて、
文章を読むのは億劫だという人はぜひ映画をご覧ください。
おすすめします。
時間の都合上、映画か小説どっちかにしたい人は
小説の方をおすすめします。
映画と小説の両方を見たいという人には
映画→原作の順番がいいと思います。








2016.02.08 サイトに掲載

2016.12.30 再掲載





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