「コードネーム U.N.C.L.E.」








本年度スパイ映画四天王の3本目。これもすごく出来がいいです。
「シャーロック・ホームズ」シリーズを撮っているガイ・リッチー監督作品。

冷戦下の緊迫した時代、ナチス地下組織の野望を阻止するため
CIAの美男子スパイとKGBの美男子スパイが手を組んだ!?というバディームービー。
「0011ナポレオン・ソロ」のリメイクです。
4本の中では唯一時代設定が過去で、
3本の中では世界観がゆるいめです。
でも女子のおしゃれと男子のブロマンスは一等賞!
古風なハンサム2人とおしゃれ美女2人、イタリアの街並み、
粋な駆け引きと茶目っ気のある会話などなど、楽しい娯楽映画です。

特筆すべきはラスボスが女性です。まだハリウッド映画でも珍しい上に人妻で、
夫は部下的な立場です。前例をあまり思いつかない。
そしてこのヴィランの美女が身長190センチ…
バディの片方のKGBのスパイ、イリヤが身長196センチで、
これはもう成層圏の映画です。
「キングスマン」のときも170センチ代の俳優さんが小柄に見えるなと思ったんですが
(コリン・ファースさんとマーク・ストロングさんの背が高いので)
こうやって段々みんな大きくなっていくんだろうか…。
高身長の人がもてて、高身長遺伝子ばかりが残った結果なのか…。

男2人のブロマンス紹介(やや内容ばれ)
男2人のうちソロはCIAのスパイですが懲役刑免除と引き換えに命令に逆らえない。
女好きで掏摸泥棒金庫破りの腕前は超一流。
イリヤはサンボと柔道の使い手で怪力の持ち主。父親はスターリン政権の高官だったが汚職で更迭、
母親は(おそらく)売春で生計を営み、その過去のせいで彼は情動不安定になった。
こんな2人がお互いに反発しながらあれこれしますが、
互いのピンチを助けたりするうちにあれこれして、
結局あれこれします。もう言わなくても分かりますよね!?

ところで「キングスマン」を撮ったマシュー・ヴォーン監督と
本作のガイ・リッチー監督はかつて組んでいたこともあるのですが、
色々あって決裂して現在は一緒に仕事なさることはありません。
でも互いを意識しているのでは…と、これまでも噂されてきました。
でもこの映画を見る限り意識どころの騒ぎじゃねェェェェェェー!!!!という感じでした。
「X-MEN ファースト・ジェネレーション」を彷彿とさせるシーンが各所に散りばめられ、
特にイリヤがエリックでした。えっと、あの、外見とか、
ファッションコーディネイトがまるっきり同じシーンもありました。
タンブラーに比較画像をあげておられる方がいらっしゃいます(皮ジャンの方がエリックです)。
http://lil-chop-shop-girl.tumblr.com/post/128065614075/missmargaretcarter-so-have-we-decided-that
時代が近いのでそれはたまたまなのかもしれません、でも(反転部分に続き)

ラストばれ反転
強くて寡黙でストイック、でも父母のトラウマがあって心が不安定、
水中で溺れているところをソロに助けられ、チェスもたしなむって
エリック・レーンシャーにも程があると思います。
オリジナルのドラマは未見なのですが、これは元祖にもある設定なのでしょうか…。

そんな2人が、最初にコンビ結成を言い渡されたときに、
上司から「あとは若い人たちで…」と言われ2人っきりにされたり、
敵の秘密基地を上階と下階に分かれて探索する時に
「俺はトップだ!」「俺はボトムだ!」
と英語で言ってたりもします(英語では攻と受の意味もある)。
特に、上司から相手を殺してでも役目を果たせと密かに命令を受けた2人が対峙
するシーンの2人の、あの切なそうな目はすごかったですね…解決方法も…。
「悲恋エンドとか駄目だから!!あと俺チャエリだから!!」
って必死に主張するガイ・リッチーがなぜか浮かびます。
うん……それ固定原理の人に言っちゃったらぶっ殺されるからね?リッチー…。
マシュヴォンは固定原理の人じゃないと何となく思うけど、
でも微妙にスルーされてリッチー監督がハートブレイクしそうな気もする(笑)

2人の監督の作風ですが、マシュヴォンは大2病、
ガイリチは小2病と中2病のハイブリット…ってかねてより思ってたんですけど、
今回進学して高2病になったような…。ちょっとユーモアが渋くなったような…。
追いかけ回されるボートを傍観しながらサンドイッチとワインで夜食と洒落こむところ好きです。
あのサンドイッチ異様においしそうだったなー。











2015.11.16 サイトに掲載

2015.12.30 再掲載





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