「ファンタスティック・フォー」 監督ジョシュ・トランク 超能力ユニットの副題で映画化されていたシリーズのリブートです。 原作はマーベルコミックスですが、映画化の権利を持っているのが ディズニーではなく20世紀フォックスなので、 アベンジャーズにはつながりません。 先に公開されたアメリカで、ものすごい酷評を受けました。 暗いとか、無駄にぐろいとか、だるいとか、主演と監督が殴り合ったとか。 先に書いておくと私は監督の前作「クロニクル」が好きなので監督擁護派。 天才的な頭脳を持つリードは、学生の頃に物質転移装置を完成させる。 彼は、ストーム博士からスカウトを受け、転移装置開発チームに加わる。 チームには、リードと並ぶ頭脳を持つヴィクターとスー、 そして彼女の弟ジョニーがいた。 猿による実験を成功させた彼等は大喜びするが、 実験がNASAに引き継がれる事を知り、 人類で最初に異次元へ降り立つ人間になりたいという一心で 許可を得ず転送実験をする。 リードは子供の頃から側で支えてくれていた親友のベンを呼び出し同行させる。 しかし実験で事故が起こり、彼等の身体は異常な変化を起こす。というあらすじ。 よいところ。内容ばれ。 リードとベンが子供の頃からの友人で、 周囲から浮いていて才能を認められないリードを、 ベンだけが理解して支えてきたという改変がとてもいい。 あとヴィクターが最初から悪人ではなく、 彼もまた天才で、そのせいで少しコミュ障なだけだとか、 ジョニーとお父さんの関係とか。 スーが単なるお色気ねえちゃんでなく才能ある科学者なのもいいです。 そして漂う彼等の学生っぽさ。研究室でごはんむぐむぐしたり、 ちょっぴり男女関係の嫉妬があったり、転送先で自撮りしたり。 学生生活と、ちょっと苦い友情と、それが悪い方向へ転がってしまうのと、 広がりのない世界、濃い不安が滲んだ画面は監督の持ち味なので、 普通に本領を発揮した仕上がりになっていると思う。 これが駄目なんだったら、監督選びが下手なんだよ…。 悪いところは反転。 時間を15分伸ばして大規模戦闘をもう1つ入れたほうがよかったかも。 あと異次元に行っちゃおうZe!って言い出したのはリードなので、 ベンだけではなくヴィクターにも謝ったほうがよいのではないか。 しかも元々関係なかったベンを夜中に電話で呼び出して 巻き込んだのはかなりギルティなので、「運命だったんだ!」は酷いと思う。 ベンが言うのはいいがおまえはだめだ。ベンが一番醜い形状変化だし。 しかしマーベル3大天才、トニー・スターク、ピム博士、リード博士、 厄災の半分くらいは3人が余計なことをするせいらしいので、 これって原作リスペクトなのかも。 だからってリードだけが1年逃げ続けて、他の仲間は軍事利用されているとか その設定はリード下げが過ぎるけど。 頭が弾けるシーンはマイルドだと思ったけど、 手足が伸びるのはリアルなCGで見ると気持ち悪かった。モザイク掛けてほしい。 前半はあれでいいと思う。 ベンとリードの子供時代描写がなくて 実験の失敗から始まってあとずっと戦闘だったら、そっちのほうが退屈だ。 ところで監督が問題のあるツイートをして炎上したらしいという記事を見て ツイート内容を検索したら 「一年前は素晴らしい映画になり多くの論評を得られるはずだったが、 おそらくそのような様子が訪れることは決してないだろう。本当に辛い」 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150811-00010012-realsound-ent という文で、これの何が問題なのか全然分からないよアッハッハー!という気持ちです。 だって実写進撃のスタッフによる炎上書き込みに比べたらこんなの…! 2015.10.13 サイトに掲載 2015.12.30 再掲載 戻る |