「ブーリン家の姉妹」








アンが勝気で才能あふれる美しい姉、
メアリーが平凡でおとなしい地味な妹、というキャラクター設定で、
姉妹の確執が描かれます。史実を大胆に脚色した愛憎劇。

ブーリン家は野心があって、
王妃に世継ぎの生まれない王に、自分の家の娘をあてがい、
男児を産ませて権勢を手に入れようとしています。
妹は平凡な子なので普通の結婚をさせ、
王を招いて美しい姉を近づけます。
しかし思惑に反し、気性の荒い姉は王とは合わず、
人妻である妹のほうを王が気に入り、王宮入りさせます。
妹は王の子を身籠りますが、フランス宮廷仕えをして謹慎していた姉が
すっかり洗練されて戻ってきて、王の心を捕え……というあらすじ。

面白いのは、スカーレット・ヨハンソンが容姿も性格も地味な娘を演じているところ。
ボイーン!ババーン!みたいな役柄ばっかり見てきたので、
えっ地味!?えっ!?ってなります。

内容ばれ

ヘンリー8世がNO1ド屑であることは揺るぎませんけど、
贈り物もアプローチも全部スルーして、
王が我を失うくらい、じらし続けて、
メアリーが難産の末に男児を出産した瞬間に、
自分だけを見てくれるなら、メアリーを捨てるなら
思い通りになってもいい、と提示するところはアンも悪魔でした。

実際は妻とっかえひっかえタイムに為す術もなく捨てられ、殺されたであろうアンが、
これくらい強い意志を持ち、策を巡らせてやがて自滅した…というこの映画の筋立てのほうが
やや救いがあると言えなくもないですね。
最後のナレーションのエリザベスのくだりが、あってよかったです。
あれで少し結末の暗さが緩和された。









2015.09.20 サイトに掲載

2015.12.30 再掲載





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