「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」 (原題:THE DEVIL'S VIOLINIST)2013年 ドイツ 天才ヴァイオリニスト、パガニーニの恋と放埓な人生を描いたお話です。 演じるのはヴァイオリニストにしてモデルのデイヴィッド・ギャレット。 今作が映画デビューです。 悪魔と契約したと噂されるほどの超絶技巧を誇る彼ですが 私生活は社会不適合者そのもので、 博打大好き、女大好き、酒大好き、約束はすっぽかす、 コンサートの開演時間になっても来ない、 そしてそれは名声を得れば得る程ひどくなっていきます。 そんな彼を時におだてて、時に恫喝し、 彼の音楽的才能を発揮させるパトロンのウルバーン。 (彼は実在の興行師と従者を基に創造された架空の人物だそうです) 「女を愛せるの?」って記者に揶揄されたりしてちょっと仄めかしがありますが、 ウルバーンはパガニーニを器物のように愛し、支配します。 イギリスでのリサイタルがメインになっていて、 その前後はわりとざっくりしてます。話としてはやや中途半端な印象。 演奏は素晴らしいです。 内容ばれ 通常の演奏ももちろんですが、演奏中に弦が切れて、 残った弦で演奏を続けるとかああいう曲芸っぽいのもワクワクします。 (実際パガニーニは弦が切れてG弦しか残ってないヴァイオリンで演奏したらしい) パガニーニは 「神は私に才能を与えて、才能を理解しない世界に放り出した」 と言って、臨終告解で神を否定します。切ない。 (パガニーニの遺体は、悪魔云々の噂のせいもあって教会が引き取ってくれなかったそう) 映画で名演奏を聞かせてくれるデイヴィッド・ギャレットさん、 お父さんが厳しくて、音楽のレッスンのために 17歳まで学校に行かせてもらえず、 内緒で外国の音大を受験して、勘当されて家を出たという やや特殊な経歴の持ち主ですが、 学校は人間との付き合い方を学ぶ場でもあるので そのあと相当苦労なさっただろうな…。 現在は自由に音楽活動をなさっているようで、よかったです。 2015.09.14 サイトに掲載 2015.12.30 再掲載 戻る |