「バケモノの子」








細田守監督最新作。面白かったです。
フックがめちゃくちゃ多く(マスコットキャラまで完備!)
子供も大人も満遍なく楽しめる映画です。
家族でもデートでも友達同士でも、誰と行ってもOK。
普段あまり娯楽作品を見ない人でも分かるように説明も丁寧です。
この夏ヒットは間違いなしでしょう。腐萌えもあるよ!

母親が事故で急死し、親族に引き取られそうになった少年は
彼等を嫌って逃げ出し、彷徨っていた夜の渋谷で、
異形の姿をしたバケモノに遭い、異界に迷い込む。
バケモノは熊徹という乱暴者で、
彼は「渋天街」という街の長である「宗師」という地位を望んでいたが、
ライバルの猪王山(いおうぜん)は強さと人格に優れ、弟子も多いのに対して、
熊徹は人望もなく1人でいるのを指摘され、弟子をとるように忠告される。
そうして主人公と熊徹は出会い、奇妙な修行生活が始まる。というあらすじ。

みんな大好き修行と成長ですよ!
あと、今回は熊徹と主人公と多々良と百秋坊の4人が疑似家族的な関係なのですが、
全員男、赤の他人同士なので、ストレスなく見られました。
熊徹と主人公だけだとたぶん息が詰まったでしょうけど、
百秋坊がちょっとお母さんっぽかったり、
多々良が皮肉っぽいお兄さんみたいだったりして、
ガス抜きになってあげて、いい関係だった。

絵もよかったです。
戦闘の表現も。渋天街と、そこに行くまでの迷路が特に好き。

内容ばれ

最後のほう、車がドワワー!ってなるところ、
「実写…あれ?ちがう?スゲェ!」って思いました。
迷路は、花が配置してあるのと、所々動物がいるのがいい。
特に鹿のところ良かった。
渋天街は、遠景は分からないですが熊徹の家の周辺は
ちょっとマカオに似てるなーと思いました。
坂と階段が多くてごちゃごちゃしている感じが。
渋谷を上から撮った構図や、自転車置き場もすごかったな。

卵かけごはんが食べたくなります(できれば醤油つきで)。
バケモノのみなさんが昼間からビールを飲んでいるのがうらやましかった。
(でも貨幣経済制で、働かないと暮らしていけないみたいだから、
飲んでいた人はあの日お休みだったんだねだぶんね)

各街の宗師さまに会って教えを乞うところ、
ダイジェストになっていて、ちょっと児童文学みたいで
どきどきしました。修行シーンも好きだけど、ああいうのも好き。

名前の付いたキャラクターはだいたいみんな良い人で、
熊徹のライバル猪王山(いおうぜん)も悪人とかでなく
本当に礼儀正しい人格者だった。
どう考えても宗師には彼がなったほうがいいと思う(笑)

エンドロールに中島敦の名があったから「?」と思ったけど
「悟浄出世」からセリフと、ちょっとだけプロットが使ってあるのですね。

1点だけ文句

ヒロインが古い…。
マッドマックスの、男女とも自分の人生の目的があって、
それに突っ走ってる途中で共闘したりするのを見たばかりだと、
もうあの、出会ったばかりのイケメンに
自分の7割くらいのリソース割いちゃって、ひたすら心配して癒しちゃんで、
戦闘のお荷物になって、ラスボスに場違いな説教とかしちゃうの、見るのもつらい…。
いなくてもいいし、実のお父さんがあの役割をやっても問題ないじゃない…。
(ていうかお父さんが10年間容姿変ってないのが地味に謎です)
いや私の意見が特殊で、メインの客層が
主人公とヒロインのラブロマンスを必要としているのは分かってるのですけど…。









2015.07.13 サイトに掲載

2015.12.30 再掲載





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