「トゥモローランド」 ものすごくよくできたジュヴナイル映画でした。 懐かしい少年少女空想科学ジャンルがブラッシュアップされた感じ(原作はなし)。 オタクなら性別年齢問わず楽しめます。おもしろかった! 宇宙飛行士になるという夢を持つ17歳の少女ケイシーは、 持ち物の中に見覚えのないピンバッジを発見し触れてみる。 すると目の前に広がっていたのは未来都市だった。 そんな彼女の前に謎の美少女アテナが現れる、というあらすじ。 理系オタクで天才で楽天家って、 これ5年前なら確実に主人公は男の子だったと思います。 そしてこの映画、「能動的な女性を主人公にすると 男性キャラクターが引き立て役になり、男性の観客が駄作評価を下す。 有能な男性を主人公にすると女性キャラクターが 驚き役かトロフィーヒロインになる」という、 難しい問題(だと私が個人的に考えていた点)をクリアしています。 理系オタクで天才で、トゥモローランドに招待されたケイシーと同じく、 50年前にトゥモローランドに招待された理系オタクで天才のジョージ・クルーニーは まるっきり立場が同じで2人とも主人公なのです。 (普通少年少女主人公ものに老齢の人物が出てきたら、 それは行き先を示す役で引き立て役だけどこの映画は違う) それでいて長所が違うので互いにリスペクトもある。 男性や年齢の大きなお友達はジョージ・クルーニーに感情移入し、 若者かあるいは女性はケイシーに感情移入する。 男の子は発明少年だった頃のジョージ、女の子はアテナに。 (そうそう、アテナのアクションがすごい。びしょうじょでお洋服も可愛い) (ヒット・ガール以来の痛快アクション美少女だと思います) 内容ばれ トーマス・エジソン、ニコラ・テスラ、 ジュール・ヴェルヌ、ギュスターヴ・エッフェルが 秘密組織「プルス・ウルトラ」の最初の4人で、 実はエッフェル塔は……とかどきどきしませんか?私はどきどきする! (エジソンとテスラが同じ組織にいるとか、どんな地獄絵図が…/笑) あとジョージの家が最高です。あのSFホーム・アローンのところ 繰り返し何度も見たい! 関係ないですが科学の粋を集めたトゥモローランドに メガネの人がいるのは(視力矯正の技術がいくらでもあるだろう) メガネが万民の萌えアイテムだからですね。分かります。 ディズニー映画なので相変わらず人種への配慮がすごい。 いや、そんなに気を遣わなくてもいいですよ…って言いたくなるくらい。 突然日本語が聞こえるとピャー!ってびっくりする。 千円札が綺麗すぎる!(笑) あと、同性カップルだよーって言いたいのかな?って 2人組が映った、ような気がしたけど違うかも。 でも子供の見る作品で同性愛が扱われると 「そんな破廉恥なものを見せるとは!」と怒る親も世界的に多いらしいので それと宗教団体も大ハッスルするので加減が難しいですね。 こんなに面白いのに興行成績はいまひとつで、 日本で「ゆるふわ癒し・テレビに出てる人やキャラクター・なんか皆が見てるもの」 以外の映画が流行らないのはもう諦めましたが、 アメリカでも駄目なのは理由が分からない。 科学技術への憧憬はもう流行遅れという事なのか、 それとも有名俳優があまり出ていないからか…。 ジョージ・クルーニー、めっちゃ切ない役なんですが、 無人島のムード満点の海岸に、 おっさんとジョージが2人っきりで転移させられた時は 恋が始まるしかないじゃない!と思いました(始まらなかった)。 イッツ・ア・スモールワールドは ディズニーランドで始まったものだと思ってましたが 1964年のニューヨーク世界博覧会出展が最初だったんですね。 (出展者:ユニセフ 提供:ペプシコーラ 製作:ディズニー) その後、若干アレンジを加えて移設。 スタッフロールを見ていたら、 スペイン撮影クルーがものすごく多かったので、 どこがスペイン撮影なんだろう…大平原のとこかな…? と思ったら未来都市が実在して笑った。 2015.06.11 サイトに掲載 2015.12.30 再掲載 戻る |