「メイズ・ランナー」








平原に何十人もの青年が共存生活をしており、
その向こうには高い石の壁があり、
さらにその奥には巨大な迷路がある。
自分の名前以外の記憶が全くない彼等は、その先に出口があると信じて
役割分担をしながら、迷路の攻略に挑戦している…というあらすじ。
3部作の1作目です。

若者が強制的に集められて命懸けで何かやらされる点でバトロワ、
危険な仕掛けがあって、何が目的なのか意図が読めない点でCUBE、
ストレスと恐怖で人間の心が曲がるという点では蝿の王、
ベルトを巻いた人が壁の外に行って探索するところは進撃の巨人、
各種足して割ったような感じでした(原作は2009年刊行)。

他のヤングアダルト小説映画化作品(ハンガーゲーム、ダイバージェント)に比べて
圧倒的男子率を誇るので、世界の腐女子二次創作が盛り上がり、
公開の遅れた日本の映画腐女子だけがずっとギギギギ…しておったという状況です。
(同じ道を辿っている映画としては「ギングスマン」があります。これは日本晩夏公開)
サバイバル生活で身体能力の鍛えられた設定なので、
すらっとした筋肉の童顔の俳優さんが揃えられています。

内容ばれ

青年たちみんな比較的良いやつだけど、
それぞれ考えがあって、駄目だと判断したときは仲間を見捨てたりもするし、
極限状況で嘘っぽくないキャラクター造形でした。
主人公が一番いいやつなので、見ていて安心できる。
wikipediaの原作ページを見ていると
「トーマスとミンホは親友になる」とか
「ニュートは英国英語」とか細かいことが書いてあって、結構ニヤニヤする。
ギャリーを演じたひとは、「リトル・ランボーズ」を見て以来応援している子なので、
うむ、いい個性派俳優になって…と感慨深いです。
でも一体何だって追いかけてきたのさギャリー!
原っぱでキャッキャウフフしてればよかったのに!

迷路をプロデュースしている企業WCKD、
「ウィキッド」と言っているように聞こえるのですが、
あのミュージカルと関係あるのかな?
悪い、という意味が転じて、
いかしてるというスラングにもなっているみたいだからそっちかな?
でもウィキッドって、薬を飲んだ母親から生まれた子供の体が…って話でもあるからな。

あの平原で1か月1人で過ごしたアルビーの1人称小説を読んでみたい。

人種は見事にばらばらだし、
中盤で青年の集団の中に女子が1人やってくるのですが、
性的な冗談一切なし。俺の女にする云々一切なし。
男性の新人への対応と全く同じでした。配慮が進みつつあるのを感じます。
(メインの女子キャラ1人なのでベクデルテストはクリアできないけど)
これに慣れてしまうと、足手まといトロフィー乳パンツ系ヒロインを見た時、
逆に「古っ…平成初期…」って感じてしまいそう。








2015.05.28 サイトに掲載

2015.12.30 再掲載





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