「鑑定士と顔のない依頼人」








2013年イタリア
ジュゼッペ・トルナトーレ監督・脚本
エンニオ・モリコーネ音楽

高名な老鑑定士である主人公は
名声と世間の信頼をいいことにオークションで名画を
不当に安く入手し、
邸宅の中の隠し部屋で収集していた。
ある日、両親を亡くしたという資産家の娘から
美術品の査定を依頼された主人公は彼女の家に赴くが、
広場恐怖症であるその女性は館の隠し部屋に住んでおり、
主人公の前には決して姿を現さない。
潔癖症で、これまで女性と付き合った事のない老鑑定士は、
友人である機械工のアドバイスを受け、女性と会う事に成功し、
若く美しく神秘的な彼女に恋をする。
というサスペンスです。

私は飛行機の中でこの映画のオチ部分を見てしまって、
結末を知っていましたが、
注意深くセリフを聞いて、色々納得しました。

館と、美術品。そして音楽が美しいです。

おちばれ注意

老鑑定士が傲慢であるというアピールが足りないので、
ものすごい気の毒な犯罪被害の話に思える。
だってドナルド・サザーランドの願望が叶わないのは
彼自身がヘボだからであって、べつにジェフリー・ラッシュのせいじゃない。
ずっと好きだったのに好意を利用され続けて、
それでとうとう……とかだったらよかったのになー。
だから相手の好みは手に取るように分かる、とかだったら色っぽかったのになー。

残酷なのは、館の正当な持ち主であるクレアが、
決して主人公と恋愛関係になって物語を救済してくれる存在ではないと、
あらかじめ観客に明示されているところ。そしてその手段。

ラストはハッピーエンド、バットエンド、
どちらともとれるようになっています。
たぶん男性の方がハッピーエンドだと考える人が多いと思います。
私もハッピーエンドって考えたいけど、でも、
還暦越えのおじいちゃんと20代の女性のラブロマンスとか
世の中そんなうまい話はそうそうねえよ!とも言いたい。

というか、初めて会うときに2回連続でドタキャンするひとは
やばいにおいがプンプンするぜぇー!って
普通はそう思うんだよおじいちゃん…。










2015.05.27 サイトに掲載

2015.12.30 再掲載





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