「ホーンズ 容疑者と告白の角」 「ミラーズ」などを撮ったアレクサンドル・アジャ監督、 (この人、フランス人だとは思わなかった。すごいアメリカB級っぽい作風) ダニエル・ラドクリフくん主演、キングの息子ジョー・ヒル原作。初映画化。 下記、中程までのあらすじを書きますので、 この映画を見るおつもりのかたはここでストップしてください。 少年の頃に出会った少女に一目で恋し、 幸福にも幼い恋は成就し、以後その女性だけをひたむきに愛してきた主人公は、 ある日彼女が何者かに乱暴されて殺されるという悲劇に見舞われる。 しかも田舎の小さな町で彼はその犯人と噂され、 周囲からあらゆるいやがらせを受ける。 自暴自棄になった彼は、慰霊のための祭壇を破壊するが、 その翌日、自分の額に悪魔のような大きな角が生え始めているのを発見する。 そして、その角を前にするとなぜか町の人々は 心に秘めた暗い欲望を口にするという現象に気付いた彼は、 角の能力を使って犯人探しを始める。というあらすじ。 すごく変わった話です。 前半がキングで、終盤がアメコミ。 もっと詳細に言うと「スタンド・バイ・ミー(あるいはIT)」+「ゴーストライダー」 普通、主人公が特殊能力に目覚める場合、 その能力は派手でエンタメ的で爽快感があるものですが、 彼の角はひたすらつらい。娘の友人の若い肉体に欲情しているとか、不倫相手の肉体が最高とか、 うるさい子供をつれた母親を叩きだしたいとか、聞きたくもない話を延々聞かされる。 そして自分に近しい人々が、本当は自分をどう思っているかとかも。 でも骨格としてはラブストーリーです。なので後味は、うーん、そんなには悪くない?かも? 変った話の好きな方むけ。私は割と好きです。 おちばれ 全然重要じゃない、ギャグシーンでものすごい真剣に感動したんですけど、 お互いにずっと片想いしながら一緒にいた、って素敵じゃないですか? お互いの裸を想像して、興奮して、でも怖くてずっと黙ってたとか! いいもの見たなってにこにこしてたのに、なんだよラスト…。 というかあの町、碌でもない人が多すぎやしませんか…。 娘のともだちや、息子の彼女に性的に惹きつけられる率100%なんですが、 えっ!?そんなもの!?それとも娯楽の少ないハイパー田舎だから!? 犯人の人、あれ思い込み激しい人とサイコパスの中間点くらいだなあ…。 あの色っぽい女の子、角の力で言わされた暗い欲望が 「ドーナツ6個食べたい」ってかわいくないですか。 あの爛れた町の中ではエンジェル級の純真さ。 うーん、ドーナツ6個一気食い、私はいけると思うんだけど、 1個を一度に口に入れるのは無理だな…あれ地味にCGかな…。 ダニエル君が赤毛の女の子と付き合ってたり 蛇と仲良くしていると何かを思い出しますが、 しかし悪魔の物理パワーがあんまり大したことがなくてびっくりしました。 えっラスボスのように形態変化したのに、それでダメージ受けるの…そうなの…。 えっと、メリンが仲良しの女友達を1人でも作ってれば 悲劇は回避できた気がしますよ私は…。 2015.05.14 サイトに掲載 2015.12.30 再掲載 戻る |