「ソロモンの偽証」前篇・事件








1990年、大雪の降った東京。
早朝登校した主人公は校舎裏でクラスメイトの死体を発見する。
彼の死は自殺と断定されたが、3人の生徒による殺人だという告発文が届き、
事件は波紋を広げ、とうとうもう一人の死亡者を出してしまう。
担当教師が辞職し、校長も責任をとって退職、
有耶無耶にされる真実に対し、主人公は生徒達だけの裁判を行う決意をする。
というあらすじ。原作は宮部みゆき先生です。

1990年といえばもう平成なんですが、
でも昭和のクレイジーさが描写されていて、妙に懐かしかったです。
当時まだ学校>子供という優劣で、
多少理不尽な事があっても、親はそう簡単に学校へ抗議とかしなかった気がする。
あと生徒が死んでいるのに、こんな時こそ元気よく校歌を歌えって歌わされたり、
それから妙に感情的な先生がいたりとか、あー、はいはい昭和ってそうでした。という印象。
「桐島〜」とかと比較すると、日本人みんなクールになったなあ…と思います。

色々な事実がじわじわと明らかになって、引っ張り込まれます。
よいところで続く!となるので、
前篇後篇特別一挙上映の時に行っておけばよかったーと思いました。
男が女を蹴ったり殴ったりするシーンが3回、
大人が子供をぶったり殴ったりするシーンも3回ほどあるので
一方的な暴力が苦手な人はつらいかも。

内容ばれ

ところどころなぜ?というくらいホラー演出。
とくに先生の隣の家のひと、呪怨か!?
(隣人の気が狂ったら、自分は悪くないのにどうしてとかグダグダ言わず
さっと引っ越すべきですね怖い…法律も家屋もすべてのシステムは
正気の人間に合わせて作ってあるので、気の狂った人から自分を守ってくれはしない)

あと真昼間の住宅街を歩いていた女子中学生が
不良に因縁つけられて殴る蹴るの暴行を受けて血を流して悲鳴をあげているのに
誰も来ないし警察も呼ばれないなんてことは、いくら昭和でもあり得ないのでご安心ください。
申し訳ないけどあの不良は家が燃えても父親に殴られても
「ハハーン!いい気味!」としか思えなかったです(おばあちゃんはお気の毒でしたが)。
後篇でどんな悲劇的な事実が明らかになっても「フーンそうなんだ死ねばいいのに」
という私の意見はたぶん変わらない。
怪人に兄弟を人質にとられて無理に悪い事をさせられていたとかなら話は別だけど…。
でも殴られていた樹里さんを好きか嫌いかと言えば嫌い。
間違っても友達にはならないし、クラスにいたらものすごく警戒して距離をとる。

なんか全体的に負の連鎖と言うか、悪意がぐるぐる回ってる感じの前篇でした。
宮部先生原作なので、救いのないラストではない筈…と信じてます。

主演の子はこの映画がデビューで、役名と役者名が同じ。
15歳なのに大人のような顔立ちの子でした。影があるというか。
助演の男の子は並大抵ではない整った顔の子だった。








2015.04.02 サイトに掲載

2015.12.30 再掲載





戻る