「誰よりも狙われた男」







「裏切りのサーカス(Tinker, Tailor, Soldier, Spy)」原作ル・カレの同名小説の映画化。
ドイツの国家安全対策チームの主人公は、密入国してきたイスラム過激派の青年を餌に
テロ組織への大がかりな資金援助を行っている慈善活動家との接触を図ろうとするが
ドイツの警察組織やCIAの干渉により計画は難航する。というあらすじ。
亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンの最後の主演作品です。

主人公の率いるチームは合法違法に全然頓着しないので、
当たり前のように盗聴&盗撮するし、拉致監禁・恫喝何でもやる。
でも仕事がすごい早いので、シーンの進みが早く見ていて一種爽快です。
画面が切り替わったらもうすでに色々設置済だったり。
うだうだとした葛藤とかは一切ない。
でも映画としての後味はあまりよくないです。

おちばれ

主人公は頭のよい人ですが、世界の難易度設定がそれを凌駕して高い。
あ、しかし不用心だなとは最終シーンで思ったんですよ。
主人公がバンの外に煙草を吸いに出たところ、
車に乗った男が2人、何をするでもなく主人公を見ていて、
私は「これ、殺されるんじゃないか」と思いました。
うーん、仕事で時々ああいう感じの状況って見掛けますけど、
根回しが足りなかったというか、
さらに上から筋を通して(釘を刺して)おくべきだったのかな?

我々(テロ対策に携わる人間)は情報提供者を得るためなら
彼等の兄弟になり恋人にもなる。必要なら何にでもなる。っていう主人公のセリフですが
実際主人公は情報提供者のイスラム教徒の青年に対して父親のような態度を取り
彼をコントロールしています。
国家の安全のために全てを捨てる熱意がありつつ、
でも敵に対する憎しみがあってはいけないのですね。
でなければ相手の望むままの姿になって支配することができない。
見つかりにくい人材だろうなきっと。

しかし人間を操って道具にする所業は、確実にどこかが歪むと思うんですが
それが彼の場合、酒と煙草に出てるのでしょう。
あんなに煙草を吸うシーンの多い映画は久しぶりに見た。










2014.10.23 サイトに掲載

2014.12.27 再掲載





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