「思い出のマーニー」







あらすじ
誰にも心を開かず、孤独だった杏奈は
周囲の人間と自分自身を嫌っていた。
持病のぜんそくの治療のため、海辺の町で暮らし始めた彼女は、
不思議な洋館を見つけ、そこに住まう少女マーニーと出会う。

冒険譚ではないので動的な・派手なシーンが一切なく、
予告でかなり損をしていますが、丁寧で繊細なお話です。
ガール・ミーツ・ガールものなので、主要キャラに男性がおらず、
感情移入先がないことにより男性の評価は落ちるかも。

浅瀬を歩く少女の素足、バスケットに入ったクッキーとジュース、
月明かりの下の白いドレスの少女、キノコ狩り、少女2人の秘密の約束、
あなたが大好きという告白、そういうのがお好きな方におすすめ。

内容ばれ

大きな謎が1つあって、それが最後に明かされ、
主人公の内面が変わり状況が改善されます。
不明点が残らないように、ちゃんと丁寧な説明もしてくれる。
シンプルだけどしっかりしたお話。ラストも明るい。

子供時代に人より健康に恵まれなかったり、
親と何かしら擦れ違いがあったり、
思っていることを言えなかったりした経験がある人ほど
強く感情移入できると思います。

下記疑問

・マーニーは「出会った女の子の中で一番好き」って言いましたけど
 じゃあ久子さんのことはどう思ってたの…とちょっと考えた。
・太っちょ豚のシーンは「ハイこれでおあいこ!」と大人の対応を見せて、
 おっ、この子はさっぱりした性格なの?と思わせるも
 あとでカッターで脅されたなどと親に嘘を言ったりなどして
 結局どういう子なのかよく分からなかった。
・かずひこはサイロにマーニーを呼び出して何がしたかったのか…。
 己の恐怖と闘わせたかったのか…?原作を読んだら分かるかな?
・お金をもらっているから愛情がないという理屈はよく分からない…。
 少女特有の潔癖な感性…?でも子供は雲や霞では育たないのよ?
・これは疑問ではないけど、児童虐待を行っていたばあやとねえやが
 ぎゃふんと言わされぬまま終わったのでちょっと物足りない。
・というか一族に呪いでもかかっているのか。

映画オリジナルの、CM映えするようなシーン(大きなものが浮かぶとか飛ぶとか建造されるとか、
人物がものすごく高速で動く、沢山のものが同時に舞う)
それに必要な1エピソードが足されてプラス15分程度の上映時間であれば
ますます良かったんじゃないかなと思った。けどそれを足すと
映画全体の静かな雰囲気が損なわれてしまうかな?










2014.07.28 サイトに掲載

2014.12.27 再掲載





戻る