「複製された男」








平凡な毎日を繰り返す中年の歴史学教師が、
ある日同僚にすすめられて見た映画のDVDに
自分に瓜二つの男が出演しているのに気付き、
その俳優に接近するが、
彼は顔や声だけではなく誕生日や体の特徴までまったく自分と同じであり
次第に彼は恐怖を感じる……というあらすじ。

上質のミステリーとか、2回見れば答えが分かるとかいう売り出し方をされていて、
そしてこのタイトルなので、ダンカン・ジョーンズ監督作品系の話なのかな?
と思ったけども、どっちかといえば不条理寄りでした。
特にラストとか「ハァ??」って声出るくらいの。
もうアルバトロス・フィルムのことは信じないんだから!
(というかモックバスター映画を配給する会社か…)

原作はポルトガルのノーベル文学賞作家、ジョゼ・サラマーゴ。
この人は「白い闇」も「ブラインドネス」として映画化されていますね。
「複製された男」は原作の邦題ですが、
映画原題の「ENEMY」のほうが内容には合ってる気がします。

直球おちばれ、やや下品注意ー!褒めてないー!

結局のところ某有名作品とオチは同じだと思うんですが、
チャック・パラニューク原作の例のあれは、
登場人物およびそのやりとりの1つ1つが魅力的だったのに対し、
この人たちは、状況を把握するや否やなぜか
すわっ!ぴんぐ!に異様に執念を燃やし(片方はそれに唯々諾々と従い)、
へぇー…あ、そうなんだ…って思ってるうちに終わりました。

蜘蛛は映画オリジナルの暗喩で、
家庭における女の支配的な面や母性をひょうげんしたそうです。
そうですか……。

ジェイク・ギレンホールは目の造形がすごい。
こんなに立体的な目の人ちょっといない。
そして左右非対称なんだけど、画家が計算して少し歪めた、みたいな絶妙なバランス。

やけに数字のプレートが強調されるシーンが多かったですが
(「74」とか「3650」とか?色々)
これもまた聖書のどうたらこうたらなんでしょうか。面倒なので調べない。










2014.07.27 サイトに掲載

2014.12.27 再掲載





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