「マグノリア」 いまでもカルト的人気を誇る映画で、旧約聖書をモチーフにしたラストシーンが特に有名です。 一見まったく関係のない10人の男女の1日を描きます。 クイズ番組の少年チャンピオン、過去のチャンピオンで同性愛者の男性、 クイズ番組の司会者の男性、その妻、その娘で薬物中毒の女性、 女性の家を訪ねてきた警官、臨終の大物プロデューサー、 その若い妻、その看護師、プロデューサーの息子で女性差別主義の男。 とても小説的な群像劇映画です。 内容ばれ 作中に出てくる「過去は必ず追いかけてくる」というセリフの通り、 過去は捨てられないし変えられないというルールが厳然としてあります。 でも奇跡が起こらない訳ではないという話。 「娘が家を出て行ったのは、俺に性的ないたずらをされたと勘違いしたからだ」 と老妻に告白した病気の男が、 「で、あなたはそれをやったの?」 と問われて 「分からない」 と答え、長年睦まじく暮らしてきた妻に 「一人で苦しんで死ね」 と捨てられたりするシーンや、 女をだまして次々とものにするテクニックを伝授するカリスマプレイボーイが 実は子供の頃に父親に捨てられ、病身の母親を看取った過去を持ち、 その父親と再会するシーンなど、 印象的で、役者さんの演技力をじっくり鑑賞するのに向いた場面が幾つもあり、 また贅沢に時間をかけて撮ってあります。 トム・クルーズというとあらゆるところから飛び降りてボカーン! という演技しか思い浮かびませんが、 こういう表情がじわじわ変わる演技もなさるのね、と驚いたりしました。 ただ一つの不満は、 男が殺されて犯人は息子で、母が庇っている事件、 あれ子供のラッパーの父親が犯人で、警官の銃を拾ったのも彼で、 最後やり直しを決意して銃を返して去るというシーンがカットされていると ネットで知りましたが、そ れ を 切 っ ち ゃ い か ん よ! と思いました。全部つながるのに…。 どうせ3時間越えているんだから、 15分ほど伸びたところでどうだというの。 2014.07.03 サイトに掲載 2014.12.27 再掲載 戻る |