「黒蜥蜴」







1968年(昭和43年)松竹版

乱歩原作、三島由紀夫が戯曲化したものを映画にした作品です。
女賊(いいにくい)黒蜥蜴を演じた美輪明宏さんが
ともかく美しくて妖しくて気高く賢く色っぽくて最高です。

美しいものを収集する黒蜥蜴に狙われた
美貌の資産家令嬢をめぐって、明智探偵と黒蜥蜴が丁々発止の駆け引きを繰り広げ
そうする間に互いにひかれていくというロマンサスペンスです。

宝石はなぜ美しいのかなど、時々語られる美学の話が印象的で、
たぶん三島さんの言葉なんだろうなと思って原作を確認しましたが
やはりその台詞はなかったのでした。
(ところで原作では、黒蜥蜴は所々一人称「僕」で、時代を先取りしすぎだと思いました)

3人の女と薔薇の話とか不思議でした。正確な言葉ではないんですが
1人の女がいて、彼女は薔薇の花束を恋人から贈られる。
薔薇の好きな彼女は花に顔を寄せる。すると花の影に大きな毛虫がいるのに気付く。
彼女は悲鳴を上げて花束を暖炉に投げ込む。こういう女は犯罪を犯さない。
もう1人の女は贈られた薔薇に虫を見つけても慌てない。
冷静に虫だけをつまんで暖炉に落とし、花束を愛でる。彼女も犯罪を犯さない。
3人目の女は残酷なことが嫌いで、虫も薔薇も焼きたくない。
どうしたかというと、花束を贈った男を暖炉に突き飛ばした。
世間は彼女を犯罪者と呼ぶだろうけど、3人の中で一番優しい心の持ち主は彼女なのです。
という話。よく分からないですが忘れ難いです。

そんな三島ですが、映画に特別出演されていて、
黒蜥蜴にさらわれて剥製にされた美男子の役でヌードを披露されてます。
しかし剥製の皆さん、全員筋肉と根性で演じていらっしゃるので
三島の次に映ったカップルの像とか、ぐらぐら揺れてらっしゃって
「がんばれー!」と声援を送りました。せめてもっと体を固定してあげて!









2014.06.18 サイトに掲載

2014.12.27 再掲載





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