「ワールズ・エンド
   酔っぱらいが世界を救う!」








「ショーン・オブ・ザ・デッド」
「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」
に続くスリー・フレーバー・コルネット(3色アイス)3部作の
3本目なのだそうです。
相変わらずのブラックジョーク、皮肉、ダメ人間、ブロマンス、
いかにも英国なキッツイ展開に加えて今回はSF、
それから3作の内でこの作品が一番苦味がきいていると思います。

高校生活最後の締めくくりに、
12軒のパブ巡りに挑戦したゲイリー・キング達5人組は途中で挫折し、
その後は離れ離れになってそれぞれの人生を歩む。
20年後、ゲイリーが発起人となって
再度12軒のパブ巡りに挑戦すべく故郷に集結するが、
彼等は町の様子が妙な事に気付く。というあらすじ。
いつもはニック・フロストが世界に適応できなダメ人間の役なのですが、
今回はサイモン・ペグの方が駄目男役です。
欧米人男性は、というか世界の男性全ては
「駄目男の親友」が大好物なんですよね…
あいつは俺がいないとだめなんだって言いたいんですよね。知ってます。

オチばれ…?

毎回ニック・フロストとサイモン・ペグは
親友以上恋人未満のお互いに執着し合っている微妙にドロっとした関係ですが
たぶん転生ものなんだと思います……。
(そして毎回どちらかに恋人か妻がいます。今回もそう。
はいはいゲイじゃないゲイじゃない)
今回も「愛してる」だの「確かにやつはカス野郎だ!ただし俺のカス野郎だ!」
(げひんなので意訳)
だの炸裂しまくりでした…。次回のニッペグブロマンス劇場にご期待下さい…。

今回は妙に格闘に気合入ってますね。
英国のアクションは銃が出てこないのがよろしい。
ほかの4人は顎を掴まれそうになるのに、
マーティンだけはひたすら頭頂部を狙われていた。マーティンちっこかった。
身長160センチくらいかな?と思ったら169だった。他の人が大きいのだな。

高校時代は全能でみんなの王だったゲイリーが、
12軒のパブ巡りのあの日、自分の世界は今日始まると希望に満ちていたのに、
その日が彼の人生最高の日で、後は転落する一方で、
アルコール中毒になりみじめな生活を送る。
彼とは逆に仲間達は社会に適応しそれなりの地位を築いている。
そんな彼が再び輝いて、もうアルコールを必要としなくなる日が来たのだが…
っていうところが最高に苦いと思うしタイトルに合ってる。
でも副題には合ってない…。
メタファを考えだすとすごいしょっぱくなる気がします。考えないけど!

しかし1軒1パイント=12パイントって7リットル弱なんですが、
いくらアルコールの方が水より吸収が早いとはいっても
排泄が間に合わない気がするんですがどうですかね。
あともちろんアルコールの分解も間に合わないですよね。
パブクロールって平均的には何軒回るんだろう…面白そうだけど12軒はむり。

監督は、障壁を(物理的に)飛び越えていくアクションが好きなのかなーって思った。
なんか毎回必ずあるような…。

苦めのブロマンスと皮肉の利いた映画です。
微グロ表現の平気な方におすすめ。








2014.04.20 サイトに掲載

2014.12.27 再掲載





戻る